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受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

秀逸

がっこうがおおきくみえるぶらんこふる

富山県 寺本 侑生 7歳

わたがしみたいにふくらんでいるさくら

富山県 奥原 広大 8歳

かいがんにすわるとほしがあらわれる

兵庫県 友良 紅音 8歳

いもうとがでんぐりがえり春がくる

秋田県 金 亜理司 9歳

冬の木は雪のスーツで立ちつくす

秋田県 奥村 翔悟 10歳

すみません雪のプレゼントまだですか

愛知県 石川 智美 10歳

信号の色した落葉降ってくる

埼玉県 岩田 恵 11歳

流星の流れるほうに声ひびく

埼玉県 浅田 桂太 11歳

雪の日は東京さえも北の国

東京都 加藤 景子 11歳

つぼみからちょっと見えてる色が好き

神奈川県 中島 幸野 11歳

自転車に先に乗ってる赤トンボ

富山県 高藤 由希 11歳

雪の上ふしぎな足あと残そうよ

石川県 大門 磨央 11歳

思い出も焼増しできるといいのにな

香港 尾崎 夏実 11歳

教室がとっても大きなれいぞうこ

広島県 浜村 将人 12歳

かすみ草一人だけではかがやけぬ

沖縄県 大城 佳奈子 12歳

忘れもの日記の中にとりにいこう

東京都 成田 尚加 13歳

たいくつそうで私のような冬の木々

愛知県 山田 裕理亜 13歳

ひとつだけ別にしてある年賀状

兵庫県 新田 千種 13歳

重たくて落っこちそうな冬の月

東京都 黒松 さやか 14歳

夕焼けにやけどしそうだ鳥一羽

東京都 斎藤 沙奈絵 14歳

鉄砲百合みたいにそっぽ向かないで

東京都 江尻 大輔 14歳

猫の眼の丸い宇宙に僕が居る

東京都 佐伯 悠 14歳

ソプラノのような雪だと想う朝

石川県 沢田 結 14歳

初夢が見られるような干しぶとん

愛知県 加藤 貴子 14歳

ざわめきがピタリとやんだ海の家

滋賀県 中辻 沙緒里 14歳

星を見るこんぺいとう見る食べてみる

兵庫県 岸田 一記 14歳

冬の朝ふとんは僕の甲羅です

兵庫県 友岡 真彦 14歳

帰り道かれ葉も風と下校中

島根県 南波 敦子 14歳

今日もまた空のひつじが旅をする

北海道 浜地 由佳 15歳

秋の日のオレンジ色の帰り道

岩手県 立柳 早知子 15歳

きのうまでたくさんあった夏休み

群馬県 小野沢 剛昌 15歳

土の中春がいっぱいつまってる

東京都 芹澤 実佳 15歳

抱く猫の息やわらかに雪が降る

東京都 吉沢 和博 15歳

弟に姉貴と呼ばれ背のびする

神奈川県 赤塚 未央子 15歳

ふわふわの桜のようなおばあちゃん

静岡県 石原 真味 15歳

補習終え家あたたかし栗ごはん

奈良県 八木 和雅 15歳

肩の上小さな小さな雪が降る

岡山県 妹尾 和美 15歳

合格という文字を見て鳥になる

福岡県 三角 玲菜 15歳

笑っても泣いても地球は廻ってる

大分県 宗近 貴法 15歳

秋の光に背中押されて風になる

埼玉県 関口 英介 15歳

16才家族と別のクリスマス

神奈川県 本落 紀子 15歳

積む悩み雪ならすぐに溶けるのに

山梨県 杉原 里美 15歳

学校の鏡のなかにふたりきり

高知県 佐竹 奈美 15歳

木の枝に白い布たれ沖縄忌

沖縄県 富原 寿江 15歳

ビー玉を月にすかしていのる恋

北海道 水口 智子 16歳

むねの中光るビー玉数しれず

宮城県 小松 雄 16歳

何となく海を見たくて空を見る

埼玉県 柴田 祥依 16歳

セーターが押入れに帰る春一番

千葉県 川上 大介 16歳

一面に広がる未来と麦畑

石川県 笹出 純子 16歳

窓ぎわの外を見ている君がいい

静岡県 土原 研 16歳

蜜柑むくほのかににほふ新世紀

愛知県 後藤 幸恵 16歳

放課後にこっそり座った君の席

大阪府 中井 佳代 16歳

大丈夫キレイになるから泣いただけ

兵庫県 谷田 真智子 16歳

髪の毛を伸ばすか切るかまよう春

兵庫県 黒川 宏子 16歳

蝉時雨きみの言葉で遠くなる

福岡県 岩本 紘幸 16歳

液体と固体の間の16歳

福岡県 宮崎 洋一 16歳

降る雪の音聞きたくて外に出る

岩手県 神田 利恵 17歳

ふり向けば昨日の私が手をふった

千葉県 高橋 美由紀 17歳

失恋の食後を飾るさくらんぼ

神奈川県 村木 一紀 17歳

ふうせんがふくらまないのせつなくて

福井県 近藤 亜沙美 17歳

空の色見てから決める今日の服

長野県 長越 可奈 17歳

除夜の鐘聞こえぬ程の笑い声

静岡県 橋本 明子 17歳

かぜひきの窓辺に日暮れ早くきて

静岡県 菊池 香織 17歳

砂の城作りて光る薬指

愛知県 福永 真也 17歳

冬の夜は足の先から本に沈む

京都府 斉藤 綾子 17歳

ささくれができた母の手好きな手だ

沖縄県 仲村 亜里沙 17歳

サバンナで月へ届けとジャンプする

東京都 勢理客 徹 18歳

「初めて」をいっぱい持ってる春がくる

愛媛県 白石 香織 18歳

川岸にプラネタリウム蛍たち

埼玉県 大橋 いつき 19歳

モノクロに伸び縮みして鳥サハリンへ

大阪府 村田 亜也子 19歳

暑さ過ぎ水いろの空眺めけり

埼玉県 加藤 俊明 20歳

未来などいらない今日は五月晴れ

埼玉県 新海 あすか 20歳

コスモスの花が窓から訪ねてきた

千葉県 三上 真紀 20歳

虫カゴに思い出だけが採れました

東京都 鈴木 慎 20歳

銀河とは夜空に輝くネックレス

埼玉県 細沼 彩子 21歳

立春の玉子のごとく子の立てり

埼玉県 すどう しんいち 21歳

白髪の夕焼に染み農繁期

熊本県 牟田 健二 21歳

あかぎれの母を連れ出し旅電車

東京都 高杉 綾 22歳

あおいみずこぼれるようなあきのそら

神奈川県 金 麟秀 29歳

膝抱え我は小さな宇宙なり

北海道 百瀬 由美子 23歳

大木の青葉が空を名乗りけり

北海道 平山 崇 24歳

先生のポケットチーフ卒業歌

北海道 遠藤 真理子 25歳

逢いたくてやわらかく結う春の髪

京都府 山根 佳子 26歳

吾が町の一両電車月と行く

茨城県 土田 桂吾 27歳

さびしさはいつもあとから春の雪

岩手県 三角 尚子 30歳

車椅子少女の膝に春の蝶

栃木県 鎌田 圭一 31歳

道ばかり増えしふるさと月あかり

秋田県 小林 光 32歳

満員のバスに乗り込む花吹雪

東京都 塩野 このみ 32歳

日向ぼこというあたたかき孤独かな

群馬県 高柳 恵美 33歳

被写体はすすきの中の少女かな

埼玉県 小林 光 33歳

髪を切り少し私が好きになる

長野県 福澤 香折 34歳

不届きな恋して落葉踏みにけり

山口県 谷口 千代子 34歳

干したシャツ手をつないでる母子家庭

京都府 武藤 雪子 36歳

参観日こんな小さな椅子だった

岡山県 福原 士郎 36歳

ペダル踏む背中に虹を感じてる

秋田県 佐々木 美保子 37歳

液晶の文字やさしくて冬の夜

神奈川県 大野 久枝 37歳

まばたきとまばたき出遇う冬銀河

茨城県 大原 なゆた 38歳

はるがすみ遠近法の海のはて

埼玉県 木村 康男 38歳

東京の桃はしずかに傷ついて

東京都 市古 美香 38歳

片影に風の道ある不思議かな

和歌山県 浜口 典子 39歳

でこぼこのこの世なれども雪真白

島根県 松本 律夫 43歳

少年のいつか面長ねこやなぎ

愛媛県 長野 初美 45歳

逆らわず争わず身の炎暑かな

兵庫県 榎本 純子 46歳

薔薇という字にも親しみ卒業す

沖縄県 比嘉 かよ里 46歳

昼顔の薄紅色の眠さかな

東京都 諸井 末男 51歳

風邪治り街の匂いをかぎに行く

兵庫県 渡邉 美保 51歳

盆が来て船着場より島ふくらむ

福岡県 芦塚 美穂 52歳

鰯の眼きれいに食べて戦中派

愛知県 斉藤 譲一 57歳

蕎麦咲いて銀河の続きかと思ふ

山梨県 鈴木 鈴子 58歳

この冬は死んだふりして過ごそうか

兵庫県 田中 喜子 62歳

からっぽの胸を焦がせし大花火

栃木県 国井 世津子 63歳

春一番絹石鹸の封を切る

東京都 橋本 真理生 63歳

どっと黄落持ち時間どっと減る

愛知県 林 金一 63歳

乳母車幼な児あやす蝶二匹

群馬県 中沢 文枝 64歳

水打って蟻に大河をつくりけり

埼玉県 吉田 サタ子 64歳

雑煮煮る鍋の小さくなりにけり

埼玉県 伊集院 美佐子 65歳

黙祷して起つ八月の棒となり

愛知県 石川 あや子 65歳

襲ふことなき蓑虫は襲はれず

島根県 渡部 光子 66歳

花ふぶき僧の草鞋の新らしき

東京都 鷲尾 弘良 67歳

豊満に老いて春風と歩く

神奈川県 酒井 弘子 67歳

草もみじいい人ばかりの中にいる

大阪府 関口 きよえ 67歳

お手玉を三つ四つつけば春の風

宮城県 菅原 幸子 68歳

抱卵のやうにひねもす炬燵守る

福島県 渡邉 和夫 68歳

春暁の夢の中でも探し物

大阪府 小山 直子 69歳

金木犀夜は星の木になりすまし

富山県 中田 京子 70歳

ふきのとう売り切れて人素通りす

静岡県 北村 清子 70歳

菜の花に染まりて母は観世音

和歌山県 伊澤 智子 72歳

観覧車人汲みあげる春の空

長野県 河西 孝雄 73歳

枯蔦やたぐればひしと石を抱き

静岡県 斉藤 達夫 73歳

放牛の尻かがやかし山笑ふ

富山県 横山 春枝 74歳

若さとは軟かなこと新茶摘む

静岡県 渡辺 堂匠 74歳

冬帽を農夫つるりと被りけり

滋賀県 坂野 冨士夫 74歳

楢山へ行きそびれたりきりぎりす

広島県 堀内 淳志 75歳

大声の外はみごとな雪景色

福岡県 福田 よし子 78歳

赤い空くの字くの字の渡り鳥

岐阜県 辻 菊一 94歳

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