第九回 | 伊藤園お～いお茶新俳句大賞

トップ
過去の受賞作品第九回

伊藤園お～いお茶新俳句大賞

第九回

優秀賞

小学生の部（幼児含む）

飛行機が空のチャックをとじている

静岡県　袴田　春香　8歳

雪のさか道ペンギンになって下りる

富山県　蟹谷　智　8歳

参観日いつものオレが出てこない

群馬県　松本　陽介　12歳

カチカチと時間も緊張するのかな

神奈川県　高橋　絢香　12歳

とうさんのひげで大根おろせそう

富山県　林　環　12歳

きもちよく飛んでる鳥とねてるぼく

山口県　中原　千穂　12歳

ころがせばよっぱらってるじゃがいもが

愛知県　杉浦　一平　12歳

中学生の部

空気までみがいたようなお正月

兵庫県　塩津　卓士　12歳

夕日燃え見てる私に引火する

千葉県　手塚　ことみ　13歳

自転車をみがく庭には春一番

埼玉県　松橋　依里　13歳

冬を描く画用紙の中全部白

宮崎県　今　三希子　14歳

こがらしが吹いたというがどの風だ

滋賀県　水上　真奈美　14歳

夏の空俺の住所は旅行中

京都府　久岡　賢　14歳

妹がおこったように餅焼ける

愛知県　大坪　昌幸　14歳

高校生の部

伸びきってひかりとなりし凧の糸

茨城県　根本　裕久　16歳

冬だからその手に触れていいですか

愛知県　内田　ちひろ　16歳

君とでもやはり苦手な心太

大阪府　末吉　夏美　17歳

空よりのエレベーターのごとき雪

山梨県　渡邊　由加里　17歳

オートバイそのまま流れ星になる

沖縄県　仲村　将哲　17歳

父のあと同じ鏡でヒゲをそる

兵庫県　出来　慎太郎　18歳

風強しにぎりこぶしの中の春

大分県　小栗　洋司　18歳

大学生・専門学校生の部

切り取りて永久保存したい夜

高知県　川村　紀代　21歳

悩み事衛星軌道を回りけり

高知県　水船　寛　21歳

またすぐに会いたい蜥蜴の尾のように

東京都　黒沢　邦博　22歳

青インク確めたくて日記買う

茨城県　園田　有実子　22歳

ぶらんこの奪り合ひ泣いた方が乗る

山口県　藤本　麻奈美　22歳

雪解音神の欠伸に似てゐたり

東京都　中田　朗子　23歳

そしていま翔び立つための青薄

埼玉県　田所　若菜　23歳

一般の部Ａ（40歳未満）

パワーショベル口からこぼす曼珠沙華

山口県　林　清江　33歳

木の葉散る地球に毛布かけている

新潟県　田代　早苗　35歳

百合匂うことも胎児に伝えたり

北海道　鎌田　貴子　35歳

初氷こだわりて踏み会いにゆく

愛知県　伊神　舞子　35歳

恋しくて一番朱い林檎買う

東京都　上間　啓子　36歳

会う人にみな翼あり春の夢

群馬県　都丸　弥生　39歳

コピー機で拡大解釈縮小す

東京都　大内　ジュン　39歳

一般の部Ｂ（65歳未満）

福引きのつぎの玉まで見て帰る

東京都　広川　昇司　41歳

Ｔシャツを干す青空に貼るように

大阪府　鈴木　茂雄　47歳

さみしさはさみしいままに煮凝りぬ

東京都　大場　明日香　53歳

どぶろくの赤き製造年月日

富山県　中尾　雅和　53歳

曲る理由あるとも見えず蟻の道

大阪府　武井　幾子　56歳

風花を金魚のように吸う児たち

愛知県　鈴木　利喜夫　58歳

弱き蚊のうなりを片眼あけて追ふ

埼玉県　高橋　千津子　61歳

一般の部Ｃ（65歳以上）

はだしでいるとじんじん星が匂ってくる

広島県　すぎやま　よしお　69歳

回転椅子どこでとめても囀れり

富山県　新保　吉章　70歳

草と口喧嘩しながら刈っていく

山口県　久村　耕二郎　73歳

囀りの木と呼び実の名は知らず

神奈川県　吉田　方外　73歳

虎落笛天に夜汽車が発つて行く

群馬県　宮田　喜代女　73歳

きりぎりすお前は膝が元気だね

香川県　馬場　恭子　76歳

白息を摑み合うごと手話かわす

埼玉県　高木　きみ子　77歳