伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第三十六回
優秀賞
小学生の部(幼児含む)
りんごばこぼくにとどいたひみつきち
せみのこえ織田信長もきいたかな
冬銀河だれも知らない星がある
みんなで赤ちゃん見に行った冬うらら
六月の世界いさんは水たまり
蝶々も一緒にのぞくクラス表
十二歳お子様ランチ食べおさめ
中学生の部
銀スプーン映る私は深海魚
帰省して祖父にならったエレキギター
桜満開父さんの指ハート
元旦は静かすぎて宇宙みたい
青空に僕ら閉じ込められている
傘ささず走ってる君がちょっと好き
君と食べるみかんの味はドビュッシー
高校生の部
私だけ理解できないラブソング
中学のジャージで過ごすお正月
居残り後ここから山って見えるんだ
マフラーで溺れるようにチャリ漕いで
人参の芯の残るや明日受験
あの雲もきっと巨人の吐いた息
一瞬の背伸び切りとる初写真
一般の部A(40歳未満)
入社式終えてBランチの孤独
なにもないならばここから芽吹くだろう
サイダーの喝采いまを生きている
行間を読んでいたら秋終わっていた
もう好きとまだ好きの間にある蜜柑
切り株は泣いていい場所冬銀河
春の海ゴジラ眠らせ真っ平
一般の部B(40歳以上)
秋思とは心の微分だと思ふ
はとバスの桜蘂降る二階席
百歳になったら少しワルになる
さくらさくら千年先の手のひらへ
縄文の先祖もどうぞ踊の輪
この町の人の顔して西瓜食う
口笛でなんだか自由半ズボン