伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第三十二回
優秀賞
小学生の部 (幼児含む)
いわし雲となり町までつづいてる
新しい今日も明日も新しい
鈴虫は夜の小さなラジオかな
たんぽぽが何かを見つけ大空へ
給食の放送当番雪うさぎ
初詣先の見えない石階段
おとし玉顔は正面目は真下
中学生の部
電車乗る私はクリスマスの夜景
一色減っても分からぬほどの虹
ホームラン打った打球は夏へ行く
全員で転がしました雪だるま
日が落ちて金魚一匹こちら向く
踏むだけで幸せになる霜柱
先人の手紙のような秋風だ
高校生の部
初詣手を叩いても一人
街角に石ころけってクリスマス
鉛筆が君は強いとささやいた
モノクロの家に消えゆく冬の月
かりがねや人が呼吸をしない街
じっとしていたくない夜や冷蔵庫
夏服の悟られそうな鼓動かな
一般の部A (40歳未満)
繋ぐ手もないし肉まんひとつ買う
一駅を歩く木の葉を踏むために
悩むとかじゃがいも食べてからでいい
八朔を剥く側になり母になる
うそ寒やモディリアーニの細き首
準急の過ぎし二秒後桜降る
流れ星どこかで象がくしゃみした
一般の部B (40歳以上)
湖の主現れよ十三夜
職を辞す熱柿一つの空は青
どん底の大地を蹴って蛙跳ぶ
カッターの刃を折り秋思跳ね返す
花疲れふの字のやうに座りたる
昴へは0番線の汽車で行く
ちちははに言伝てのありほうたる来い