過去の受賞作品

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  • 過去の受賞作品 第三十二回 

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

都道府県賞

愛知県

おにごっこおわったときのあんしんかん

白井 啓太 9歳

みの虫が風にふかれて一回転

杉浦 大貴 11歳

目が合った今日も電車は一号車

尾関 咲彩 16歳

障子貼り日本の光取り戻す

坂 和泉 16歳

おかえりと田舎の稲穂ささやいた

伊藤 大翔 18歳

三重県

クリスマスピエロの鼻の運転手

辻 優羽 12歳

植物もきれいになりたい雪化粧

杉野 ひなた 14歳

通知表母に見せたら大寒波

川向 諒芽 16歳

道端のドングリ拾う影法師

小川 紗弥 17歳

樏を履きて神社へ道つける

湊 章治 86歳

滋賀県

満天の星を見ながら焚き火する

田中 瑞 16歳

ため息と同じ音するベートーヴェン

内田 こころ 17歳

鉄棒で火傷するほど逆上がり

金田 千春 34歳

切りたての前髪跳ねて薄暑光

中村 嘉宏 52歳

色えんぴつ散らばる縁の梅日和

松本 トシ子 76歳

京都府

ブランコのごとく前へと進まぬ恋

椿 広翔 15歳

できないな香水のせいにしておこう

堀江 愛麗 16歳

歳時記の持てあましたるマスクかな

池田 慎太郎 37歳

草の実に埋まる家々皆眩し

川﨑 岳史 40歳

もう一つ真実ありや寒昴

佐藤 悦子 79歳

大阪府

背が伸びた母のおさがりどっときた

松岡 莉央 11歳

セーターの毛玉みたいに君といたい

堀内 沙也佳 14歳

祖父母へと初めて買った切手貼る

溝渕 紗英 14歳

一人鍋電波でつながり寄鍋に

佐藤 大翼 16歳

紙芝居抜き取るごとく夏来る

井上 真弓 48歳

兵庫県

遠山に神降りるごとく日が差すよ

廣瀬 純子 11歳

アネモネに隠し通そうこの思い

後藤 小紘 15歳

掘りごたつステイホームを支援する

藤本 和佳奈 16歳

冬銀河瞼でそっと閉じ込めた

藤本 智花 19歳

幼き手てんとう虫の停車駅

森 聡子 34歳

奈良県

チューリップ笑って植える二年生

川本 馨士 12歳

金魚たちおよぐ姿は水彩画

浦井 菜々子 14歳

筆箱の中がきたない春日和

花岡 光希 16歳

手と鼻が赤くなっても雪にぎる

白石 優麗 16歳

雛の間に乳の匂いが充満す

福中 梨恵 38歳

和歌山県

紅葉や自転車でゆく新世界

中西 巧 16歳

二階から君をあだ名で呼んで夏

岩﨑 香菜子 25歳

春しぐれ素顔のままで今日はいい

赤山 仁美 36歳

大泣きの赤子に逃げる鬼やんま

湯上 ひとみ 62歳

木犀の香より始まる二楽章

財津 京子 64歳

鳥取県

イヤホンをはずしたあとの無音の音

倉田 詩穏 18歳

アメンボが尾根辿り行く逆さ山

阿川 啓太 30歳

菜の花を撫でて風車の風去りぬ

田中 かおり 33歳

子には子の親には親のいわし雲

漆原 正雄 35歳

木犀の香りまとって庭談義

中井 康恵 62歳

島根県

二年後はきっと君は元カノだ

曽田 昇吾 16歳

図書館はきっと宇宙のひとかけら

森廣 満康 16歳

恋文はタンスの底に梅雨曇

上川 裕希子 34歳

柚子風呂やぱあに広げる足の指

寺津 豪佐 51歳

幕末の志士も走った鍵曲

船越 正枝 59歳

岡山県

透明な壁の向こうは入道雲

井上 花音 13歳

花火する子供のような父と母

來海 笑多朗 17歳

木犀のそばにタオルを干すルール

植田 祐介 32歳

黒板の対角線引く冬日差

名合 恵理子 50歳

終点は月が尻餅つくところ

山根 広美 58歳

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