伊藤園 お～いお茶新俳句大賞
第三十二回
佳作特別賞
少しだけ嫌いになりそう隙間風
向日葵を追い越してやれ成長期
新米を迎えるしゃもじ十年目
何度目か時を止めたい金木犀
卒論の受付印の音重し
朝顔に寝癖ひとつを見つけたり
韻踏んで親子でバトル親父勝つ
草笛や地蔵の目もと祖母に似て
ガラス越し思いを繋ぐ冬の虹
カシオペア赤城下ろしの過ぎしあと
恐竜の好きな年ごろ木の芽時
木犀の香り吸い込むハーモニカ
船頭の唄に合わせて花筏
石垣を這い上がりけり忍者霧
八月の月重さうに昇りたる
かぶと虫ぼくのあごはつよいんだ
おともだちマスクのかおでもおぼえたよ
みか月のベッドでねたいほしキラリ
くじらぐもきみのともだちだれですか
水仙が咲くころマスクとれるかな
マフラーを首にまいたらからまった
まっ白のくつ下茶色おいもほり
ひつじ雲乗ってみたいな食べたいな
たんぽぽの花をむすんでイヤリング
りんごあめ日の出のように光かがやく
ゆず香る湯船にうかぶ金の星
にゅうよくざいいれると広がるレインボー
やりたいことたくさんあるのに家の中
冬の池未来の自分みえるかな
手をふってやきいもやさんを追いかける
春になり色が一気に温かく
稲かりでふとそで見るとトゲささる
菜の花の色ににている玉子焼
みかんの実だれでも取れる太陽だ
マスクしてみんな歴史の主人公
父と母雑煮の文化が混じり合う
そよそよとなびく犬の毛麦畑
日焼けした自分と友達大笑い
森林の間を通るアキアカネ
背比べ母と私で接戦に
朝早く釣りざお持って夏の川
水たまり葉っぱを浮かせ大航海
いってきますいっしょに育った桜の木
枝豆や指から飛びだす超特急
バレンタイン僕のまわりに風がふく
受付のふうせんかずらもらう夏
アメンボの背中にのった世界地図
小説に挟む栞のラベンダー
冬景色まだ降ってない白の希望
金賞を友と目指してホルン吹く
