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  • 受賞作品 第三十二回 佳作特別賞

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

佳作特別賞

寡黙な日音を磨いて冬穿つ

兵庫県 半野田 経子 69歳

大根積む組体操のごと崩る

兵庫県 島谷 喜代孝 70歳

初氷つんつん突けば空割れる

兵庫県 大崎 博子 71歳

ひんやりと消毒液と秋思の歩

兵庫県 藤田 俊一 71歳

軽やかに髪切る音や梅雨晴間

兵庫県 長田 知代子 72歳

向き合って葡萄をつまみ合う寡黙

兵庫県 平松 佳弘 73歳

白魚の百の眼にひるむ箸

兵庫県 米谷 三代子 77歳

これ以上問へば泣きさう受験生

兵庫県 田中 愛子 82歳

草の実をつけて鼻唱下校の子

兵庫県 駒木 等 87歳

消しゴムがひとつなくなり松の内

奈良県 木村 俊彰 16歳

春近し名前の入ったシャープペン

奈良県 加護 なつめ 16歳

水鏡百余の景色映し出す

奈良県 木村 恒裕 16歳

師は走るそぶりみせぬも師走くる

奈良県 松本 清音 16歳

虚無の中心を映す小夜時雨

奈良県 江口 裕士郎 18歳

秋なのに本を開いた記憶なし

奈良県 河合 姫奈 19歳

初雪でアンダーライン滲みたり

奈良県 佐久間 優里 19歳

雪だるま傾く体も誇らしげ

奈良県 中岡 裕賀子 34歳

ひな人形真顔でわたし見てくるよ

和歌山県 堀江 舞優 10歳

ひがのぼるこおったまちにいろがつく

和歌山県 三好 柚妃 13歳

教室の斜め後ろの隙間風

和歌山県 阪口 望乃 14歳

夕立が映画の余韻を拭い去る

和歌山県 松田 有加 15歳

夏みかん電車に残るゆらぎかな

和歌山県 寺本 佳弘 15歳

春になる遠近感が狂ってく

和歌山県 土橋 弘幸 16歳

春の日や指先つなぐ老夫婦

和歌山県 楠間 麗奈 19歳

あんぱんを頬張る先の冬銀河

和歌山県 田中 克則 42歳

水澄めば真の水色ありにけり

和歌山県 濵口 典子 61歳

動物園自由に飛びて寒雀

和歌山県 浦 貴子 63歳

紫陽花と海の波紋が風を呼ぶ

鳥取県 松永 旭陽 17歳

夕焼けの空から日本感じてる

鳥取県 植田 成美 18歳

正月のにおいが香る台所

島根県 三澤 朋佳 16歳

七色の気持ちを送る春の海

島根県 池田 優子 34歳

ユニホーム袖を通すと自信湧く

岡山県 秋山 侑舞 13歳

猫舌は冬の食べ物強敵さ

岡山県 瀧 水葵 13歳

月光に見守られつつバット振る

岡山県 羽野 清晃 14歳

おじぎ草我も試験でへこみそう

岡山県 石井 快和 16歳

秋麗笑顔の増えた通学路

岡山県 塩見 直也 16歳

黒楽と花びら餅の習い事

岡山県 則本 玲生 17歳

新しく友だちになった寒太郎

岡山県 難波 帆海 17歳

寒牡丹白い囲いに身を寄せて

岡山県 植木 仁太 17歳

木枯しや隠れて吹きかう世間体

岡山県 地頭代 真波 17歳

花畑網と虫との舞踏会

岡山県 上浦 稜平 17歳

汽車一つ動き出したる蝸牛

岡山県 竹中 佑斗 23歳

春雲の円周率はたぶん4

岡山県 山根 拓也 26歳

冷房の下であくびのもらいあい

岡山県 熊代 みのり 30歳

潮風の薫るこの町回り道

岡山県 田中 晃一朗 31歳

ケンケンパ2歳ふわっと跳んで初夏

岡山県 太田 有希子 32歳

ただいまと山に帰って行く夕日

岡山県 波多野 裕子 32歳

冬晴れの城下を見下ろす猫城主

岡山県 末澤 拓也 35歳

燕去るシャワーフックの位置戻し

岡山県 河原 健作 48歳

雲海に息継ぎをして山一つ

岡山県 中桐 裕子 49歳

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