伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第二十八回
優秀賞
小学生の部 (幼児含む)
お母さんいつもかわいいはぐをする
まだなにもしゃべってくれないふきのとう
石垣をのぼってやると蛇がいう
紅葉散るたくさん散ってる音が好き
ずる休みした私の顔を犬見てる
はまぐりを塩で洗うと笑い出す
タンポポのなかなかぬけない強い意志
中学生の部
草原に寝ころべば僕のオリオン座
将来は普通に過ごす予定です
かたつむり約束ごとは守れない
てっぺんが空からひらっと落ちてくる
あいうえおちょっと不思議なやゐゆゑよ
山奥の緑一面秘密基地
母の日は少し控え目反抗期
高校生の部
まっしろな未来に私は攫われる
台風が僕のやる気を連れてった
寒いねと言ったら君は「だから何」
本音が叫べるなら蝉になりたい
はつなつの母の欠伸のかるさかな
桜散るさよならじゃなくありがとう
峰雲の下に母校を置いてきた
一般の部A (40歳未満)
肉まんを割って世界が冬になる
サングラスかけて訛りの強い語尾
冬晴や跳ねあげて描くアイライン
玄関に不揃いの靴花疲れ
鉄棒は低くなり空遠くなり
川の字で寝たはずなのにどこいった
産ぶ声になんと見事な冬星座
一般の部B (40歳以上)
蠟梅の庭甘くなる眠くなる
やわらかき盲導犬と冬を踏む
ハイタッチ一歳半の年始かな
シベリアのこと終に語らず虎落笛
夜光虫太古に星座墜ちたとか
寢かされて案山子は空の広きをいふ
マスクする主治医の素顔まだ知らず