受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

佳作特別賞

主無き碁盤に埃日脚伸ぶ

奈良県 水谷 あづさ 49歳

空耳の続き探して日向ぼこ

福岡県 野口 栄子 49歳

寒風や海へ海へとペダル踏む

東京都 田口 雅子 50歳

夜勤明け家路に高き冬の月

東京都 長谷川 麻理 50歳

午前より午後は永くて日向ぼこ

東京都 羽生 広 50歳

風光る乳母車より犬の耳

東京都 碩 真由美 50歳

イチジクがとってくれよと頬染める

愛知県 林 朱美 50歳

教壇にぽつり残りて春霞

大分県 山田 ゆう子 50歳

粉雪や退職告げし葉書き着く

栃木県 伊藤 雅代 51歳

人類は私だけです唐辛子

埼玉県 芹澤 順子 51歳

空箱に空箱しまふ十二月

千葉県 高山 絵美 51歳

春風をちょっとつまんで味見する

千葉県 半澤 さとみ 51歳

チューリップ開きすぎたる部屋の中

東京都 二階堂 恵理 51歳

勝ち負けを付けない隠岐の相僕かな

大阪府 浅野 敬一 51歳

やさしき手おたふく風邪にすりりんご

北海道 中村 能久 52歳

蝉しぐれ水琴窟の中におり

青森県 木村 千尋 52歳

春立つやボロ布にそっと刺繍する

東京都 大松沢 ともえ 52歳

バテてたら叱られそうな入道雲

神奈川県 足立 美代子 52歳

夏ふたり遥かに青と蒼と碧

静岡県 山本 昌信 52歳

江戸川を越えて都心へ雲の峯

茨城県 大谷  裕子 53歳

夏富士よ帽子をどこに忘れたか

東京都 池本 由子 53歳

砂一粒滑り落ちたり蟻地獄

神奈川県 姉歯 豊 53歳

お産とは熱帯夜かもしれぬ

福井県 池田 西弘 53歳

腐葉土に夕立深く息を吸う

大阪府 甲木 千絵 53歳

また一つテイッシュを開けて春が来る

大阪府 荻野 直樹 53歳

指文字でハートを作る共白髪

岡山県 安西 典子 53歳

啓蟄やタイマー合わせ起きる虫

広島県 畠山 厚子 53歳

枇杷の花乞はれて人の妻になる

徳島県 山田 絵里 53歳

魚跳ねきらりと光る川面かな

宮崎県 川末 節子 53歳

ちんどん屋木枯し連れてやって来る

栃木県 中田 敏子 54歳

風まとひ母訪れし桜餅

東京都 高橋 栄美 54歳

ごめんねのすき間をうめるスイートピー

東京都 澤田 八栄子 54歳

ひぐらしや廃校にあるミシン台

愛知県 伊藤 昌之 54歳

水温む犬の形のボロ毛布

愛知県 水野 育子 54歳

考え過ぎてぐるっと廻って春の闇

兵庫県 高橋 玲子 54歳

アネモネや不機嫌さうな肖像画

愛媛県 毛利 晴美 54歳

雪雲や白きベールが海に落つ

福岡県 松尾 和俊 54歳

小春日の日差し身体に詰め放題

宮城県 千田 康司 55歳

結び目の上手くいかない寒稽古

千葉県 坂西 早苗 55歳

雲梯は一つ飛ばしよ夏の空

東京都 蔵田 香織 55歳

友と食むとうきびの味雲ひとつ

東京都 伊東 千尋 55歳

誰とでも仲良くなれる夏帽子

静岡県 村松 達也 55歳

幼な子の両掌にちょんと春を置く

大阪府 坂本 珠恵 55歳

母の日やそっと置かれし包みあり

大阪府 奥野 章子 55歳

いわし雲に近づく高速エレベーター

兵庫県 井上 美知枝 55歳

心臓の音が聞こえる麦の波

福岡県 木本 京子 55歳

呼び捨てにされてほほ笑む春の風

北海道 加藤 京子 56歳

トンネルの出口にいつも居る案山子

北海道 鹿又 正樹 56歳

菜の花の中を笑顔の電車来る

秋田県 鈴木 仁 56歳

鹿威し音で清める大晦日

秋田県 今野 慎吾 56歳

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