伊藤園 お～いお茶新俳句大賞
第二十八回
佳作特別賞
きみとであったときまるでさくらのよう
ベルリンのクリスマス市星がふる
春風と不安を胸に汽車を待つ
青草を駆ける駿馬に光さす
カメムシの気持ちになって生きてみる
木漏れ日を閉じこめたんだ帳面に
青いそらいつかの君の置き手紙
椿の木覗くめじろがかくれんぼ
冬星が教えてくれる世界の広さ
甲虫今年は誰に勝ったかな
引出しにしまったテスト泣いていた
こらえかねてざくろも割ける秋の朝
三日月の隣りに光る祖父の星
夏の日のゆらりとゆれるかげぼうし
クリスマス変わることなしペンにぎる
葡萄みたいぎゅっとくっつく君と僕
僕の足薄氷ばかり踏みたがる
青春はそもそも何かわからない
七夕で竹につるすは僕の夢
水たまり薄い氷に光差す
青春の歯車まわる夏の海
口笛でホトトギスとの二重奏
雪溶けが残り時間を知らせてる
年賀状変わらない字にホっとする
言葉より人生語る手のしわよ
喧嘩して窓からなぞる冬北斗
あめんぼがリンクの上でおどってる
夕時の一家団欒燕の巣
岩石が太古の地球を語りだす
愛猫の目と良く似ている冬の月
友達のかかとを踏んだ入学式
太陽の黒点がすぐそばにいる
夕焼けが落ち込む私を照らしてる
大掃除ノートの落書き捨てられず
書き初めの最初の一筆だるまの目
ノートには図形ばかりやそぞろ寒
巣立ちの日初めて校歌で声を出す
初詣神社の絵馬もグローバル
冬の朝くもるガラスにπの文字
竹馬でこんこんこんと春を呼ぶ
さざ波と花いちもんめ夏帽子
ぬいぐるみ私のことを見張ってる
山眠る月のとなりにこんぺいとう
からっ風嚔の中に大宇宙
満月の中のうさぎに一礼す
一人きり静かな部屋と蝉時雨
霜柱踏んだ足先踊ってる
飼い猫は一番上のかけ蒲団
夜光虫照らす未来は君がいい
ふくろうに見守られながら勉強だ
