伊藤園 お～いお茶新俳句大賞
第二十六回
優秀賞
小学生の部 （幼児含む）
くつひもにくやしさのこるうんどう会
つばめの子あいさつなしでたび立った
ねる前にかぞえなおすよお年玉
ケシゴムが私を見てる夏休み
音楽よ雪のねいろになってみろ
しもばしらふんで音でる笑みもでる
くつしたに穴があいていた梅雨の空
中学生の部
亀鳴くと信じる者だけふりかえる
鳥帰る僕は電池を取り換える
霜柱昨日の夜がそこにある
春愁や練習曲が終わらない
風よりも低くペダルを踏んで秋
妹は初雪の日が誕生日
あの頃は見ていたはずのかぶと虫
高校生の部
ロッカーに夏の全てを置いてきた
黒板に筆圧強く大夕焼
寒い日はあなたのそばで円周率
筆箱にてんとう虫がやってきた
春キャベツ光をきざむ母の手よ
停車駅君を見つけた冬のバス
たまご溶くとき一匙の東風混ざる
一般の部Ａ （40歳未満）
数学と退屈そうな君と雲
口笛が空気に溶けてやわらかい
チューリップよりも黄色い一年生
子が生まれ空と話した日の記憶
前髪を切りすぎた日の雨がいい
さえずりに包まれている自由かな
恋かしら違うのかしら冬の蝶
一般の部Ｂ （40歳以上）
クロールで耕してゆく初夏の海
立春や魚屋の猫顔洗う
約束のライオンの前鰯雲
平穏の崩れそうなる冬銀河
狼の忘れてゆきし山河かな
十五夜の月より下がる縄梯子
夏帽子軽い約束ばかりして
