伊藤園 お～いお茶新俳句大賞
第二十六回
佳作特別賞
節分にきらわれ鬼が人気者
色えんぴつ自分の未来は何色だ
隙間からそぉっと覗く福袋
年賀状送った相手と同じ柄
入学式棒のように立ちながら
新年の言葉はとても美しい
恵方巻みんなで壁を見て食べる
好きだって言ってるじゃない鈍感ね
赤黄のドレスをぬいで冬木立
落ちていく枯葉と共に成績も
蓑虫や今の自分を見てるよう
風鈴が淀む空気を震わせる
青梅を友と拾った秘密基地
霜柱行進曲を響かせる
コトコトと煮つまってゆく家族の輪
木々たちは風で言葉をかわしてる
マフラーがさびしい首にハグをする
桜咲く明日進む道決めた今日
手のひらにつかんだ星が空に舞う
進めない恋の信号青になれ
初詣手順忘れて隣見る
アップルパイサクッと感じる秋の音
嗅覚をくんくんさせてバレンタイン
流れ星さわってみたいな熱そうだ
ぎこちない小さな土筆の一年生
赤蜻蛉周囲の時を止めて飛ぶ
窓の奥広がる空に鷹一羽
恋の歌国語の授業でならったよ
白い空白い地面に白い富士
雪だるまとけてにんじんだけのこる
雪解がクスクス笑う水の音
夕焼けや母へと伸びて影法師
雨上がりかえるみたいにとんでいく
うめの香は母の香りに似ています
目が合えば笑ってかえす蕗のとう
大雨の過ぎたあとにはオリオン座
いつもとは違う一日冬の蝶
青い空帰省ラッシュの渡り鳥
雪の街自分の色に染めてみたい
あと少しおちばふむ音聞けるかな
手袋の編み目に冷気忍び込む
冬の朝ミュージカルかな枯葉たち
天の川塾のテストを流したい
君の顔に四つ葉の花が咲くように
本の部屋違う世界の入口へ
雪景色京都の町を輝やかす
さつまいもきると日の色おいしそう
渡り鳥終着駅はどこの湖
トロンボーンひらひら舞い散る桜かな
ガタンゴトン夕焼け色の列車達
