伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第二十四回
優秀賞
小学生の部 (幼児含む)
しん友としゃべりつづけた山のぼり
せつぶんのおにもおそれるお姉ちゃん
かまくらの中ですずめが温まる
こおる雪長靴でふむがぎぐげご
山眠るひいばあちゃんの黒電話
年越しのその瞬間にあくび出た
年賀状私の生まれた病院へ
中学生の部
真冬日に生まれた俺も中学生
先生の目を見て話を聞く四月
ひとつだけ秘密があるの桜の樹
粉雪や床にこぼした正義かな
友という距離がありけり冬星座
図書カードあの人もこれ借りたんだ
片耳のイヤホンとられ急接近
高校生の部
地平線キャベツ畑と夏の空
冬空の遥かなるはて観覧車
夕立で君逃げ込んだ僕の傘
夕焼けが根性見せろと言っている
来年の力秘めたる枯木かな
考える海に向かって問いかける
教科書に落がきのあと春の雲
一般の部A (40歳未満)
泣き顔も笑顔も寝顔も宝物
風鳴らす寒三日月の切っ先よ
ひとつだけ言い訳させて欲しい春
青空を縛りつけてる夏の蜘蛛
寝姿はカエルか親父か二歳児か
悩ましく首振る古い扇風機
青ならば前に進めと空が言う
一般の部B (40歳以上)
錆びつきし島の索道夏うぐひす
バラの棘呼びとめられた心地する
跳び箱を跳び薫風に乗り移る
ふるさとの姉から返事なき寒さ
初蝶やなんとお転婆海へ出る
十六夜の万年筆で書く手紙
百歳へ梯子を掛ける己が春