伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第二十四回
都道府県賞
千葉県
ユニホーム最後にたたむ手があつい
ひな祭りお父さんを連れ歩く
先輩が居ない校舎に雪溶ける
弁当に込める君への応援歌
鬼は外鬼は外にはおりません
東京都
くつぬぐと母の説教三時間
重箱のおせちの中も国際化
赤ぎれた母の手誰より美しく
友達と思い出競う日焼け肌
君の名が決まり今日からお母さん
神奈川県
りんごむく私のうで前仮免許
試験日は神さま全員引き連れて
呼んでみた君の素敵な下の名を
孫を抱き寡黙な父も赤ちゃん語
古切手舌に昭和の味残り
新潟県
わたがしの中でぐっすりねてみたい
中三は木と似ているよ節目の時
少年のバットが探す春の風
別れの日綿毛となりて巣立ち行く
すり切れし時間を想うちゃんちゃんこ
富山県
母さんが見てる時だけ手を上げる
まん月をパクッとかじった大花火
ちぢんだねえんぴつの顔うれしそう
立山が冬日を浴びて照れている
新年の新たな気持ち何処へやら
石川県
ストーブの前にいるママくまみたい
北陸の根雪はまるで角砂糖
緑風や友禅ゆらめく浅野川
濡れた道虹が映って円になる
春泥に野球少年飛び込めり
福井県
雪だるまとけてにっこりたれ目だね
遮断機のけだるく上る大暑かな
糸のようがんこ親父の孫への目
立冬の岬の風に逢いに行く
夕焼の空に昭和が見え隠れ
山梨県
八つがたけ雪がつもってかさ地ぞう
十七歳自分に色をつけていく
五線譜をとびだす家族の笑い声
コンパスで虹を測った夏休み
いまここを大事にせよと桜咲く
長野県
寒い朝霜で車はラッピング
数式と語り合いたる春の暮
霜焼けの右手で結ぶオリオン座
脱ぎ捨てし靴がいくつも野に遊ぶ
夜警過ぎ一村の闇しまりゆく
岐阜県
かきぞめでどきどきする音きこえてる
雪景色常に鉛筆持っている
青嵐部活に励む友がいる
緑伸び猫も伸びれば日も伸びる
流れ星待つ北窓に顎預け
静岡県
ごめんねのかわりにおはよでなかなおり
振り振られ僕の思いはペン回し
ほんのりと白い刈田に鶴渡る
窓越しの茶畑つづく故郷まで
善い事は心に貯金満期無し