受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

佳作特別賞

ままごとの吾は子の役桃の花

茨城県 一木 紀彦 72歳

持ち歩く啄木歌集春よ来い

埼玉県 守田 修治 72歳

工事場の音止んで知る昼餉時

滋賀県 曽我 洋子 72歳

楕円形の人生でよし初鏡

京都府 中川 加代子 72歳

一瞬を濃くし木犀風を止め

佐賀県 原口 朝光 72歳

宇宙人みたいな孫の帰省中

宮崎県 松浦 華世 72歳

折紙のあねさん人形春を待つ

茨城県 土田 信子 73歳

つくしんぼ山の向うが見えている

千葉県 髙橋 由紀子 73歳

母から子たすきつながる吊し雛

東京都 宗田 利一 73歳

節分の豆を噛む歯がまだありぬ

三重県 三井 無心 73歳

ブランドで着膨れている傘寿かな

大阪府 藤田 千惠子 73歳

川幅を余すことなく花筏

徳島県 滝川 興樹 73歳

好物を問えば風呂吹き初デート

千葉県 野瀬 智慧子 74歳

太刀魚の銀の長さを捌きけり

静岡県 酒井 瑛弌 74歳

最初はぐーあいこ続けて日脚伸ぶ

兵庫県 田中 俊 74歳

春昼の芙美子の町に子猫かな

広島県 寺町 志津子 74歳

筆談の一字は百語銀河濃し

北海道 福島 眞也 75歳

王女の名授かり薔薇の刺がある

秋田県 土谷 敏雄 75歳

陽炎に包まれ漁師戻りけり

茨城県 斉藤 美智子 75歳

逆風に負けない私は風車

埼玉県 和田 厚子 75歳

冬茜陽明門が笑いけり

千葉県 河村 淳子 75歳

思い出を取り揃えたる夜店かな

神奈川県 佐藤 博一 75歳

風と風ぶつかる崖の黄水仙

大阪府 小池 万里子 75歳

のびのびと老いて明るく腹立てず

兵庫県 佐藤 良子 75歳

雑煮食ぶブラジル人になりきれず

ブラジル 二見 智佐子 75歳

東京より一年生を見せに来る

茨城県 植木 和昭 76歳

小石など動き出しそう小春の日

埼玉県 渡邉 氣帝 76歳

旅支度あすからわたし回遊魚

埼玉県 川瀬 伊津子 76歳

爪染めることなき生活大根抜く

千葉県 横山 久子 76歳

お互いにマスクのままで擦れ違う

新潟県 湯井 昭雄 76歳

雛飾る親子三代左利き

新潟県 小林 義之 76歳

浜風に舞ふ百枚の絵凧かな

静岡県 小﨑 章吉 76歳

菜の花のなか行くSL貴婦人号

山口県 山村 百合子 76歳

飛石の数だけ寒き靴鳴らす

茨城県 岡 寿男 77歳

極楽の空は何色冬の虹

東京都 末永 盛士 77歳

これからが本気なんです猫の恋

東京都 抜山 裕子 77歳

能面の皺深々と秋闌ける

東京都 熊本 紀子 77歳

三月のまだ眠い木に触れてみる

神奈川県 金子 経子 77歳

六月の退屈そうな雄ゴリラ

富山県 ながい とおる 77歳

癒えたしか声透きとほる母囲む

山梨県 小林 利典 77歳

階段を二段跳びする春立つ日

大阪府 東 徹 77歳

パソコンのごみ箱空っぽ年あらた

兵庫県 小枝 圭子 77歳

クレヨンの黄は月見草あなたです

兵庫県 奈良井 恵美子 77歳

春隣ちょっとおしゃれな杖を買ひ

山口県 山本 礼以子 77歳

あやとりの梯子春月にかける

長崎県 長島 富美枝 77歳

てのひらに転がす宇宙竜の玉

秋田県 中村 榮一 78歳

陽の光連れて薄氷流れゆく

茨城県 福島 千枝子 78歳

携帯電話の先はモンゴル鰯雲

栃木県 橘川 芳子 78歳

長所より短所なつかし秋彼岸

滋賀県 薦田 久子 78歳

落葉かき山の匂ひを独りじめ

群馬県 土屋 力 79歳

  • X