受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

佳作特別賞

鍋の湯気うわさ話のように逃ぐ

鹿児島県 英 れお 30歳

我が故郷よ本当の自分ここにある

宮城県 上村 めぐみ 31歳

冬の月きみが心に棲みついた

福島県 冨塚 真紀子 31歳

雪を見て心踊ればまだ若い

茨城県 本多 章光 31歳

生真面目の眉根をとかす春の風

埼玉県 永井 真理子 31歳

ツバメの子並んでのぞく夕餉の灯

千葉県 原田 長明 31歳

水着買い三割くらい夏になる

東京都 伊藤 拓 31歳

人二倍働く上司にお茶を出す

東京都 下館 千尋 31歳

おかっぱの襟足おどる夏休み

東京都 斉藤 順子 31歳

雪原に寝ころび感じる生命を

東京都 中山 梓 31歳

地図帳を広げ小さな逃避行

新潟県 藤井 幸恵 31歳

仙人掌と向き合い座る炬燵かな

静岡県 遠藤 太郎 31歳

桜餅一つ下さいにゃんこの手

静岡県 大畑 多香子 31歳

飛び越えて見るもまた良し霜柱

京都府 三羽 ちひろ 31歳

白鳥やつるの悲しみ如何せん

大阪府 小宮 範久 31歳

冬晴れや窓に留守居の猫の影

兵庫県 天野 浩子 31歳

面接に落ちて見上げる星月夜

兵庫県 佐野 紗矢香 31歳

窓の外そろそろ春が見え隠れ

福岡県 上杉 吏絵 31歳

田舎駅青い思いが巻き戻る

茨城県 朝倉 正浩 32歳

まぶた越し心も包まるる春陽ざし

群馬県 高橋 美紗子 32歳

医学士の胸ポケットの花菜かな

埼玉県 豊永 裕美 32歳

向日葵とともに産声あがるかな

神奈川県 加藤 美佐子 32歳

ガス代が上がって実感冬到来

静岡県 町田 千恵 32歳

悴んだ小さな手を引き保育園

愛知県 河井 丈幸 32歳

鍵盤を踏むようにいく冬の朝

愛知県 伊藤 靖子 32歳

陽炎が私を過去へと連れて行く

愛知県 山田 しのぶ 32歳

歳重ね親の命の尊さよ

大阪府 溝口 有崇 32歳

手をつなごう春までの距離はかるため

大阪府 天田 麻衣 32歳

盆踊り濡れ色という髪を結う

大阪府 中屋 瑠美子 32歳

新郎は温厚無口昭和の日

福岡県 寺本 佐記子 32歳

仔うさぎにお手を教えるうちの母

北海道 加藤 三紀子 33歳

悠遠の余薫感じる古址かな

茨城県 石川 雅生 33歳

うきうきと南瓜工作澄んだ空

埼玉県 加藤 寛 33歳

おひさまが行司になりて浜相撲

千葉県 上中 直樹 33歳

入園の春や木馬の背は軽く

神奈川県 大谷 友美 33歳

伸びろよと頬赤らませ麦を踏む

神奈川県 市川 直美 33歳

列車待つ旅のお供に文庫本

神奈川県 青木 まさみ 33歳

鏡中に春が来ている試着室

石川県 野田 奈々絵 33歳

ひだまりに座布団並べて雛祭り

愛知県 北村 美奈子 33歳

猫じゃらし即席魔法少女かな

京都府 川﨑 岳史 33歳

一抱きの水仙の香を束ねけり

京都府 菅 宏史 33歳

春風にはしゃぐ子供に囲碁の音

大阪府 宇根川 一成 33歳

麦わら帽忘れ置かれし客間かな

大阪府 中川 文子 33歳

君色のネクタイ締める新生活

大阪府 岩城 正弘 33歳

うぐいすもちお菓子が先に春を着る

大阪府 皿谷 祐子 33歳

吹き抜けの家に満月降りてくる

大阪府 鎌田 亜也子 33歳

女子会の人数だんだん増えていく

福岡県 森田 美保 33歳

我もまた善き人めきて初詣

北海道 片山 兵衛 34歳

分校の先生生徒と凧揚げる

埼玉県 角貝 雄二 34歳

風に乗り一駅あるいて誕生日

東京都 松岡 幸子 34歳

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