伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第二十四回
佳作特別賞
秋の空長くなる影そして君
桜咲く日を見るまでは耐えしのぐ
花吹雪またこの場所でと約束し
入れさして君のポケット借りる冬
大福が苺含みて季語になる
鳴り響く世界へ轟く島魂
雑草に君影草の隠れたる
みかん剥く愛しいきみの細いゆび
足跡と想いを残して旅立ちます
運命の人早く現れろと師走の夜
思い出の微分積分ときの愛
自画像のそつぽ向きたる秋暑し
影長きサッカー少年大夕日
かき氷私の頭が冴えてゆく
雪合戦したことがない子供達
吊るされた洗濯物と僕の恋
別れ際好きといえずに終わる恋
淡雪のような君の手溶けないで
故郷は鏡のような氷町
三学期のような顔した今日の空
年一度帰る私と変わる街
旅をする葉はすべからく枯れ葉なり
急ぐ身の私追い越す親燕
きっと夏至足りないものを埋めたいの
隣家より色づく香り金木犀
コスモスはまあ旨さうな色をして
牡丹雪しっとり歌い舞い踊る
花咲けば一つ近づく黄色帽
キッチンの隅ですくすく新芽たち
眠れぬ日地球儀にジャズを閉じ込めて
旅立ちという名の清き別れかな
綿雪を追い越し降りゆくエレベーター
エコ作戦冬将軍と渡りあう
踏切の中でキミが呼んだ夏
胸に置くすいかを食べた夏休み
マフラーの君に巻かれたがっており
新風が吹きぬけてゆくクラス替え
積もる雪極彩色のファンタジー
空にある雲の行列競走か
あと一つ見れたら寝よう流星群
一緒だと誓った桜の芽吹く時
柱傷畳に滲む家の味
内定書自分探した一年間
夕焼けをアドバルーンが持ち帰る
里帰りいびきの大きな父と寝る
雪溶ける君の笑顔に完敗だ
冬日にきっと睨んで前を見る
子供より大きなダルマ負けないぞ
着ぶくれてキミは一体何星人
梅雨の雨初恋が来た傘が好き