伊藤園 お～いお茶新俳句大賞
第二十四回
佳作特別賞
秋近し空のもようは波のよう
白球が暑さのあまり跳ねまわる
友達と二人三きゃくさくらんぼ
餅つくと集まってくる人の声
いつか見た雲海の中泳ぐ夢
泣いた夜僕には見えた祖母の星
マフラーをあんで伝える私の愛
受験生のってはいけないすべり台
冬にはね数学よりも物理だね
改札を初めて通る春の朝
ゆきだるま太ったほうがかわいいよ
ふり子時計ふり子に命宿ってる
まっ白の上ぐつ見つめ決意する
バスタブにぽつんと残る柚子の皮
夕焼けに紺の緞帳下ろす空
春一番夢を詰め込み吹きあれる
木枯らしの吹きたる暮れの曲がり角
冬休みたのしいことだけやりきるぞ
信貴山に冬を知らせる雪が降る
雪の中振り向き気づく足のあと
冬の蒲公英季節はずれの転校生
小春日に夢置き忘れ外階段
モーモーモー白黒青空牛舎前
愛犬の器の氷石でたたく
雛あられ口に広がる甘い夢
よくばりな願いをこめる初詣
初日さす須磨の浦から鳴る汽笛
初夢や宇宙飛行士空を舞う
夕暮れに踏まれ奏でる秋の音
友と組む二人三脚天高し
父の味ちょっぴりだけど塩辛い
夏が来てみんなのはだが光りだす
ししおどしカタンとおちてはい王手
猫の恋木陰で独りかくれんぼ
門松の切り口仲良く笑ってる
帆を上げて私の青春海の上
はなれても北斗七星見ているよ
ゆきがふるこごえるだいちだいすきだ
絆の芽みんなの笑顔で花つける
季節ごと心に挟む花栞
霧が出て故郷釧路白い町
満員バス外では鳥が飛びまわる
心地良い雪との温度差つないだ手
夏の夢蝉より高く放物線
窓開けて広がる世界は蜃気楼
恋を知り景色が変わったこの季節
初もうで新たな私を祈る時
その笑顔僕の心に蝉時雨
雪雲を切り開く音トランペット
ちっぽけな蛍の光に似るわたし
