過去の受賞作品

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  • 過去の受賞作品 第十五回 

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

審査員賞

阿川佐和子選

テロテロと心配事がますばかり

ドイツ 豊住 真利 9歳

「テロ」という怖ろしい言葉を二回繰り返すと、こんなに具合になるかと、教えてくれた句である。戦争、世界平和関連の句が多いなか、素直で新鮮な力を感じた。

浅井愼平選

サラサラと手からこぼれる砂と時間

アラブ首長国連邦 玉川 聡美 11歳

玉川聡美さんの句はとても秀れたもので、ぼくは詩句とよみたくなりました。言葉の向うに深く大きな宇宙的世界がみえるのでした。

津根元潮選

なの花はいろんな空を知っている

福岡県 矢沢 達也 12歳

菜の花畑は春そのものの風景。春の空は変わりやすいが、その空の下で菜の花の黄色の花は春にとけこんでいるようだ。

中谷美紀選

墨の香に背筋伸びて筆にぎる

愛知県 岩田 明子 15歳

一筆入れる瞬間の緊張感が墨の香とともに伝わってきました。演技をする時、私も同じ気持ちです。

金子兜太選

葡萄栗桃梨林檎銀杏は嫌

奈良県 一ノ本 玲 15歳

漢字ばかりの俳句は見た目に固くて「嫌」なのだが、果物や木の実となると温い。おとぎ話の雰囲気。

森澄雄選

新聞を配る途中の初日の出

鹿児島県 横小路 格身 17歳

朝も暗いうちから新聞を配っていて、元日の東天に日の出を見たのだ。万象改まる日の旭と思うと荘厳である。

吉行和子選

草むしり蛙がとんだ母とんだ

富山県 三浦 賢 29歳

働き者のお母さん、それを笑いながら、からかっている息子。ほほえましい親子関係が好きでした。

いとうせいこう選

人生を噛みしめている総入れ歯

千葉県 西秋 忠兵衛 75歳

素朴で飄逸で、噛めば噛むほど味の良さが出てきます。選考会で阿川佐和子氏が強く推していたので、かわりに私から審査員賞を差し上げます。

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