受賞作品

  • トップ
  • 受賞作品 第十五回 佳作特別賞

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

佳作特別賞

寒鯉のおのれの時を刻みけり

栃木県 岩間 孝 54歳

亡き犬と歩いた路の曼珠沙華

埼玉県 田中 くにえ 54歳

新緑の激しく落ちたる袋田の滝

埼玉県 田口 淑江 54歳

おもいきり蛇口ひねる児夏来る

神奈川県 相田 満里子 54歳

おしゃべりの座席一列夏帽子

神奈川県 岩山 節子 54歳

妻の顔やさしさだけをすくい撮る

神奈川県 暉 峰子 54歳

お別れの小夜曲なりしスィトピー

京都府 石動 敬子 54歳

コンビニの横の田んぼの案山子かな

大阪府 松木 元 54歳

夢を捨て夢を拾いて寒明ける

大阪府 杉野 憲生 54歳

寒風に猫背の猫は哲学者

兵庫県 小林 由紀子 54歳

離職後は文字盤のない猫時間

広島県 後藤 澄子 54歳

初夢の猿の惑星にて覚める

福岡県 持永 真理子 54歳

糸電話猫を相手に山笑う

北海道 中井 キシエ 55歳

春はとんとんと匂玉を越えたり雲雀

埼玉県 佐藤 榮市 55歳

奥多摩を秋の音符と歩きけり

千葉県 多喜 緑風 55歳

草笛が無傷に流る城の跡

千葉県 鶴岡 満 55歳

朝顔の蔓たのしげに伸びにけり

千葉県 猶原 和子 55歳

一言で秋刀魚と答え出勤す

東京都 浅野 文男 55歳

髪洗ひ終へたる後の花の窓

東京都 西本 匠子 55歳

セーターの畳まれてあり婚の朝

東京都 伊藤 亜無 55歳

想い出し笑ひ残して春の客

東京都 平原 りの 55歳

自転車に浮力つきたり寒の明け

東京都 吉竹 純 55歳

くすくすと黄色い笑い銀杏散る

神奈川県 岡本 まさ子 55歳

日影入るやうな心地や冷奴

神奈川県 岩澤 白峰 55歳

凩の海へメールを打つ少女

高知県 山﨑 光子 55歳

蝉時雨だんだん眠くなってきし

福岡県 筒井 みえ子 55歳

機関銃のような影ありおぼろ月

福岡県 佐竹 三紀枝 55歳

夏帽子ちょっと深めにかぶろうか

福岡県 中川 透 55歳

炉を囲みにんげんが今ゆかいなり

秋田県 柳川 大亀 56歳

磨かれし窓に初日の射しにけり

埼玉県 山本 節子 56歳

惑星の接近メロン食べ頃に

埼玉県 本橋 葉月 56歳

海色のあじさいが好き雨が好き

東京都 小林 信子 56歳

鰯雲ゆくあても無き大移動

東京都 望月 皓美 56歳

曼珠沙華女一生演技する

東京都 中村 良子 56歳

猫に添ひ猫になりけり日向ぼこ

神奈川県 高梨 白庵 56歳

お隣へ遊びに行くも夏帽子

静岡県 土屋 けい子 56歳

風花も入れて電車のドアの閉づ

静岡県 桜井 雅子 56歳

土雛母の匂いを着ておりぬ

愛知県 服部 久仁子 56歳

鳥帰る空どこまでも空けてある

大阪府 中川 順子 56歳

山積みの二百十日のバナナかな

兵庫県 渡邉 美保 56歳

わが瞳のぞいて行きぬ恋の猫

福岡県 加藤 柚子 56歳

春浅し一行の書き出し定まらぬ

長崎県 釜 浩一郎 56歳

帆柱に春光ゆらめく水平線

埼玉県 岩間 喜久子 57歳

シクラメンほど手をかけぬ夫いる

埼玉県 長島 千恵子 57歳

琴の音を雪に聞かせて昼ひとり

静岡県 影 いづみ 57歳

怠け癖つけて癒たる春の風邪

愛知県 鈴木 春世 57歳

勝ち組も負け組もなし日本晴れ

愛知県 山田 静 57歳

春の星生命線を確かめる

大阪府 松山 たかし 57歳

八重よりも一重の無欲寒椿

兵庫県 藤田 雅子 57歳

何もかもご破算にして山を焼く

兵庫県 石塚 春美 57歳

  • X