受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

佳作特別賞

二重跳びつづけてできた春の午後

宮崎県 江藤 順子 39歳

畳んでひらいて畳んでひらけば春でした

北海道 松田 佳子 40歳

ゆとりない眉間がつくる縦の皺

北海道 松本 由樹子 40歳

あの恋の深さはあおき通り雨

宮城県 畠山 恵美 40歳

うなだれるジャンパーふっと鉄匂う

埼玉県 藤野 寛己 40歳

さよならと言って大根ぬかれけり

東京都 佐藤 勝美 40歳

鍋囲む湯気の向こうに犬の鼻

東京都 田中 利一 40歳

雨あがり雫に宿る小宇宙

神奈川県 小林 和美 40歳

ぶらんこを漕ぐや現在過去未来

神奈川県 酒井 裕子 40歳

温泉でハァとつかれば生き返る

神奈川県 渡辺 高章 40歳

微笑んで花見の後は聞き上手

岐阜県 汲田 敦子 40歳

雪遊びする子まぶしむガラス越し

愛知県 宮澤 尚美 40歳

露天風呂名月先につかりける

京都府 臼井 正幸 40歳

祖母とするクロスワードの様な会話

大阪府 寺東 朋子 40歳

試着室一つ小さい服を持ち

和歌山県 中岡 重美 40歳

吉凶をたして二で割る初詣

岡山県 岩﨑 達栄 40歳

三段の滝より冬日降りて来る

広島県 内海 昌子 40歳

海岸に取り残された白いパラソル

千葉県 山崎 優子 41歳

寺男冬のすべてを掃き清む

東京都 名取 光広 41歳

点になる紙飛行機よ春の果て

東京都 中村 みどり 41歳

絵手紙のにじみて届く春隣り

長野県 原田 規子 41歳

切り傷の痛みなつかし竹とんぼ

静岡県 荒井 賢二 41歳

月下美人異界の扉開きけり

奈良県 桔梗 裕実子 41歳

思い出を今は野ざらし古机

熊本県 島中 敦美 41歳

石の上悟りを開く赤とんぼ

青森県 越後 浩美 42歳

ほんのりと窓辺の雪に癒されて

福島県 渡辺 初子 42歳

残り柿天をあおいで小鳥待つ

東京都 永野 晴恵 42歳

地球から滑べり落ちそう春一番

東京都 浜田 順子 42歳

手のひらが湯呑みの形に暖まり

神奈川県 片倉 真由美 42歳

ホタル灯の温度のような会話聞く

富山県 早野 美以子 42歳

夏野菜置いてちりんと母去りぬ

愛媛県 岡田 まみ 42歳

雛の日や母に寡黙の刻流れ

福岡県 和田 洋一郎 42歳

温暖化たまには見たい雪景色

福岡県 東 博文 42歳

ゆっくりと流れる時間数え詩

北海道 保田 悟 43歳

防災の日机の下の一年生

宮城県 小野寺 修一 43歳

雨戸開け目も口もあいた雪の庭

千葉県 五木田 弘子 43歳

ため息の数だけ群れて水中花

大阪府 有田 ひとみ 43歳

とりあえずとりあえずとて年を越す

兵庫県 岩佐 浩 43歳

川底の地球のかけらを持ち帰る

北海道 卜部 美恵子 44歳

褒められし娘を冷やかして温かい

北海道 黒澤 敏朗 44歳

花見れば我も我もとクシャミする

東京都 志田 さなえ 44歳

雲まばら稲刈り人に笑みこぼれ

神奈川県 猪俣 明彦 44歳

立つ鳥がほうきを持って大掃除

神奈川県 中村 則昭 44歳

桜咲くリベンジかけた花開く

京都府 阿辻 むつみ 44歳

さくらまつ合格をまつじゅけんせい

大阪府 井上 君江 44歳

秋深く色染めゆかし山の木々

大阪府 山口 良江 44歳

保育器の孫渾身の大あくび

兵庫県 桾本 佳晴 44歳

褞袍着てダリもピカソも大嫌い

山口県 中川 正宏 44歳

目覚ましに腕だけ伸ばす白い朝

熊本県 大中 るり子 44歳

太陽が欲しくてシクラメンを買う

北海道 網谷 千代子 45歳

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