受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

佳作特別賞

ハンカチにピシッと折り目春立ちぬ

大阪府 武田 亜希子 29歳

我先に上へ上へと凧競う

神奈川県 豊泉 ゆみこ 30歳

初雪に触れる娘は雪の精

静岡県 新村 緑 30歳

夏雲がプカプカ揺れて楽しそう

静岡県 岩間 千明 30歳

しりとりの「る」に立ち止まる冬木立

大阪府 加治屋 恵 30歳

初雪や米とぎの音しみわたる

兵庫県 冨原 泰子 30歳

悲しみがでんぐりがえってちからコブ

岡山県 森 祐子 30歳

ブランコに月光が乗るしずけさよ

愛媛県 紙崎 美加 30歳

日だまりの心潤す緑かな

鹿児島県 服部 伸 30歳

モノクロの里山彩る熟柿かな

宮城県 古山 智子 31歳

春の風呼び込むように爪を塗り

福島県 石田 亜紀子 31歳

母の背を押して登るや秋の富士

埼玉県 雨乞 直樹 31歳

雪溶けてぼくの童話も流れだす

神奈川県 浦上 昌季 31歳

冬といふうっすらミルク色の文字

静岡県 山下 奈美 31歳

春風を追い風にして闘志燃ゆ

静岡県 芹澤 稔美 31歳

「好きだよ」と言うほど心が遠くなる

愛知県 浅田 真理 31歳

町の中色んな顔の雪だるま

愛知県 橋爪 よしみ 31歳

夏が来て私色の青い空

三重県 西村 さおり 31歳

カモの陣キョロリと位置を確かめる

広島県 下江 順子 31歳

小春日にあわせて動く家の中

愛媛県 岡村 理江 31歳

リスボンの夜闇にファドの火が灯る

デンマーク 安永 昌史 31歳

わがままな風に誘われ舞う落ち葉

北海道 佐藤 美保子 32歳

ひらめいてシリウス虹の種となる

東京都 若林 伊都 32歳

里近し言葉少なに雪眺め

大阪府 馬場 さおり 32歳

産声が天にも届く初秋の夜

北海道 西村 裕二 33歳

水ノ輪で綾取りしているあめんぼう

東京都 秋葉 典子 33歳

蛍火を包みし指に触れてみぬ

東京都 上田 真司 33歳

しなやかに桔梗またぐや女猫

東京都 中務 薫 33歳

変わりなきことに幸あり三が日

東京都 加賀谷 京子 33歳

春よ来い周りのみんなが羅針盤

東京都 関根 通雄 33歳

くれよんの色の数だけランドセル

新潟県 丸山 雅美 33歳

だっこならまとめておいで一二三

岡山県 中桐 裕子 33歳

消えてゆくものばかり好き雪が降る

広島県 田中 明子 33歳

ブカブカの制服揺れる春の風

大分県 橋本 由美 33歳

波の穂が風に解かれ旅終える

宮崎県 山本 芳生 33歳

ものさしで測ってみれば秋ふかし

宮崎県 中田 雄一郎 33歳

鼻声で先生してる寒の明け

沖縄県 知念 教子 33歳

つまらない戦争と素そうめんかな

北海道 安田 こずえ 34歳

エアメールのちょっとローカルな文通がいい

東京都 中村 深由紀 34歳

木枯しが空き缶蹴りをして遊ぶ

神奈川県 五十嵐 和弘 34歳

ひぐらしが鳴くたびせまるノスタルジー

京都府 山田 真理子 34歳

人恋し朝の乳房の冷たかり

大阪府 平井 孝枝 34歳

つぎつぎと落葉と話すお坊さん

埼玉県 宮崎 実忍 35歳

栗熟るる日没の海濃むらさき

埼玉県 内野 勝二 35歳

ボディラインまた露出して春が来る

千葉県 古川 美都子 35歳

春を待つ入園ごっこの弁当箱

神奈川県 岡田 恭子 35歳

今年こそほんとの春を手に入れる

神奈川県 伊藤 仁人 35歳

駆けよりてそっと繋ぎし紅葉の手

岐阜県 坂倉 幸男 35歳

藤蔓と我はぶうらりぶらりかな

静岡県 浅見 一紀 35歳

木洩れ日に猫の微睡の寝息かな

大阪府 小野 まなび 35歳

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