伊藤園 お～いお茶新俳句大賞
第十五回
佳作特別賞
初詣絵馬から願いが溢れ出す
夏の海髪で感じた蒼い風
風鈴の音と重なる終戦日
百円のノートブックに春日さす
おばあちゃん枕言葉はヨイショなり
吊り革に初めてとどく喜びを
海神に抱かれて帰る夕陽かな
大仏を背にして眠る子鹿かな
地球儀のほこりはらって年の暮れ
つまずいて転んだ先に春の匂い
宿題がとても多すぎ黄水仙
後ろから呼ばれたような春近し
新潟の冬には青空にあわない
秋になりあたりが赤く着がえてく
月明り狐をつくった大きな手
ストーブの暖見て思うイラクの子
春うらら猫昼寝する塀の上
寒空にポツンと浮かぶ水鏡
冬なのにライオン色のタンポポだ
お父さん地球が熱を出してるよ
響く音みんなでとった最優秀
つくしの子ボールといっしょに見つけたよ
ポケットに賽銭鳴らし初詣
風鈴やはしゃぎ疲れて一休み
秋の森口が大きいリスがいる
初浴衣赤い鼻緒に胸踊る
なんとなく傘をささない雪降る日
青春よ心に波がおしよせる
ケーブルカー蝉鳴く山へ登りゆく
秋の音をクラリネットで届けます
飛び石が静かに黒い雪の庭
満月とおしゃべりをする雪だるま
チャイム鳴り主将の顔になる私
夏休み青く輝く僕がいる
兎の眼赤く私を見つめてる
マフラーが色とりどりの登下校
雪積もり剛力自慢家の屋根
クラス替え悪い悲鳴と良い悲鳴
春風よ少女の帽子が飛んでいく
かたつむりさっき見たのと同じ場所
秋の空のように澄んだ赤ちゃんの瞳
北風がテニスの乱打をじゃまするよ
七草を言い合いながらかゆすする
木々たちが涙ポロリと戦争に
初日の出みかんが一つあるみたい
羊雲飛行機雲を喰いつくし
グローブの匂いの残る春の昼
先生にスカウトされて廊下行き
桜散る黄色い帽子とお母さん
年明けて気持ちも新たに白い靴
