応募はこちら

受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

英語俳句の部 大賞

  • A dandelion
    while standing on tiptoe
    waits for the wind 訳/ タンポポ 爪先立って 風を待つ

    茨城県 小室 竜哉 17歳

    このタンポポは黄色い花の状態ではなく、開花後、実を結び白い冠毛の生じた、いわゆる絮の毬となっている。種子を飛ばそうと、しきりに風を待っているのだ。第2行の“standing on tiptoe”が草の身となっての生き生きとした表現で見所だ。

英語俳句の部 優秀賞

  • A summer breeze
    running through the sea
    pulled by a bird 訳/ 夏のそよ風が 海をわたる 鳥にひっぱられて

    東京都 小山 千紗子 16歳

  • a spring morning
    winds flow with the sparrows
    the swelling curtain 訳/ 春の朝 雀たちと一緒に風が流れる ふくらむカーテン

    大阪府 小林 沙耶香 17歳

  • Dyed red
    by sunset
    crab and the sea 訳/ 入り日に 赤く染まった 蟹と海

    大阪府 古山 高義 18歳

  • dog days ―
    the mountain’s shadow
    smells of resin 訳/ 夏の盛り― 山の影に 松脂がにおう

    ルーマニア Valentin Dan Tiberiu Pomârjanschi 53歳

  • An icicle
    piercing the eave’s shadow ―
    full moon 訳/ 氷柱がつらぬく 軒の影― 満月

    ルーマニア Iulian Dămăcuș 55歳

  • to be out or
    not to be out
    ― February buds 訳/ 出づべきか出でざるべきか 芽の二月

    東京都 奥富 初江 58歳

  • Winter evening ―
    the white canvas disappears
    stitch by stitch 訳/ 冬の夜― 刺繍の白い地が ひと刺しごとに消えていく

    ベルギー CUVELIER Willy 63歳

  • An owl starts hooting ―
    village bakery’s smells drift
    over the forest 訳/ フクロウが啼きだす― 森のパン屋の匂いが 森にただよう

    アンドラ公国 James Kirkup 85歳

  • house sparrows
    in the new seed bed ―
    dust bathing 訳/ イエスズメが 新しい苗床に― 砂浴び

    アメリカ Darold D. Braida 歳

英語俳句の部 審査員賞

  • 星野恒彦選

    awaiting the test results ―
    rings on the pond
    from falling leaves 訳/ 試験の結果を待つ― 散る木の葉がつくる 池の水輪

    アメリカ Michael Dylan Welch 41歳

    鎮めようとしてもどきどきする胸と、眼前の水面に静かに広がる水輪とが微妙に照応する。心理的に深い句である。

  • フィリップD.ジトウィッツ選

    a dry leaf ― comma
    berry of dog-rose ― fullstop
    ― autumnal spelling 訳/ 乾いた葉―コンマ 野茨の実―ピリオド 秋のスペリング

    クロアチア Marela Mimica 66歳

    この秋を思わせる俳句は、新しさと古さ、現代と伝統、を創造的に混ぜ合わせている。comma, fullstopといった用語を使い、意識的に5・7・5の形式を作り出している。

英語俳句の部 後援団体賞

  • 国際俳句交流協会選

    the wind in spring
    has new determination
    blowing on the cherry-lined boulevard 訳/ 春風が 新たな決意で 桜の並木道を吹く

    青森県 笹田 のぞみ 14歳

    いま花盛りの桜並木を、ときに強く吹く風は花を散らしてしまう。そこに風の思い切った意志を認める作者の感情移入の句。作者の若々しい精神が背後にうかがわれる。

  • X