伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第十三回
優秀賞
小学生の部 (幼児含む)
ばったがとんでぼくもとびそうになった
水てきがかけっこしてるガラスまど
弟よそんなになくな海になる
体そう着ばんざいしたらへそが出た
母の背にぴったりくっつき充電す
三角形のびたりちぢんだりわたり鳥
イチローが投げたみたいな流れ星
中学生の部
弟の手を引き急ぐ盆踊り
風邪ひいて時計の音がよく響く
鉛筆が小さくなって秋が来た
転校を打ち明けられた二人乗り
冬の月黒いベッドで眠ってる
台風とただ今傘で交信中
かれ木には次の時代がつまってる
高校生の部
台風よ学校全部持っていけ
スイカ切るそのしゅんかんにもう夏だ
照明と夕日が混ざる野球場
狛犬の足元に猫初参り
妹の下駄をそろえる月あかり
マフラーに俺の個性を語らせる
寝たきりの祖父が指すのはツバメの巣
一般の部A (40歳未満)
「生きること」それが無音の反戦歌
「 」夏のかけらを切り取って
むこうから同じ笑顔の犬のむれ
肩車して陽炎の中に入る
桐一葉それでは狐にもどります
若者といふ空間の暑さかな
人間はコンクリートに冬眠す
一般の部B (40歳以上)
水底の村にも獅子座流星群
冬眠のまえの一跳ね青蛙
日溜まりや今なお母の部屋と呼ぶ
春はあけぼの白いごはんが炊けている
オーロラの端をつかんで夜空釣る
廃校やつくしの子供整列す
百代のざわめき暮るる芒原