伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第十三回
ユニーク賞
さんかん日ママが一ばんきれいだな
おもたいなれん休あとのランドセル
おひさまもにげまわってるふぶきの日
お正月九九が全部言えました
いもうとに主役うばわれひなまつり
ひいばあちゃんはなしをするとうちゅう人
かっこいいギターの形かぶと虫
かみなりはかみなりどうしけんかして
赤ちゃんにほっぺつねられぼく笑顔
父さんのだじゃれすべって寒い夜
出ちょうのパパからメール「ひま」とかく
竹馬で先生を上からながめてる
はつもうで寒さが顔にかみついた
かしわもち葉っぱのにおいも食べました
ゆきがまう高そうマンション下から上へ
たきたての米を想像いねをかる
ランドセルとんぼとまっておもさます
雪雲はこの冬遊びにきてません
ジョギングの父を待ってる朝ごはん
雪ダルマと間違えてゴメン道祖神
しかられた犬が顔をなめまわす
友達とかげを使ってせいくらべ
ふろあがり私は取れたてりんごです
むねくらべ私に負けたとしょげる母
登下校駐在さんが守り神
ITではぼくが先生親生徒
あぶないとホタルが後ろついてくる
しゃぶしゃぶは理科の実験してるみたい
たんぽぽをよけてやっているキャッチボール
カーテンがヒラヒラおどるフラメンコ
ありのすもリストラ話でもちきりだ
なまはげが来たと教える犬の声
春の家犬が服着てすわってる
白菜と青虫とどくいなかから
手袋を顔にもしたい冬の朝
ひなまつりあられひしもちあと5文字
もうちょっともうちょっととこげるサンマ
しゃべれない金魚に向ってしゃべる祖母
ラストゲーム古グローブにオイルぬる
愛子さま「子」の字がついて喜ぶ子
六年生私はまだまだわか葉です
神様がいるいないとケンカする
元旦にマフラー星人あらわれる
宿題でなやむ横目で犬ねてる
鉄びんのおゆがシュンシュン出番まち
宿題へプールで泳いだちから出す
買い初めは父にメモ帳二、三冊
足あとでうさぎの性格よく分かる
母のかおなにを言うかがよく分かる
雷雲中からちょこっと鬼の顔
立ち話しおばさんくさいでも楽し
アブラゼミ妨害電波出している
児童から生徒にかわる春休み
ケータイはあけおめメールで大混乱
土やぶるちっちゃな力士土筆の子
ふと思う反省の色って何色だろう?
おばあちゃんケータイもってギャル気分
心臓の音ちがう本番のぶ台うら
ぬりたてとわかっているのにたしかめる
寒げいこ練習おわればこたつの子
ピアノひき終わってほっとわたになる
一人旅新宿ぐらい行きたいよ
日曜日午前と午後が大逆転
金もくせい玄関先のいやし系
こたつ出し部屋の半分のっとられ
オリオン座夜空専用蝶ネクタイ
病院で泣いた赤ちゃん弟だ
せん風機みんなの寝顔のぞいてる
メールなら素直になれる十三歳
キーホルダーだんだんだんだん日焼けする
雪だるまじっとしていて精神統一
やけに声はりあげ新年10秒前
兄ちゃんに初めてもらったお年玉
サングラスおしゃれも母の旅支度
もういいよメロンの箱が匂ってる
おぞうには母の味より祖母の味
北風にふかれ木の芽は修行中
母が見て無言で返す通知表
目があって1℃上昇私のほお
勉強をやるスピードや観覧車
落ち込む日ふいとあの曲ラジオから
にくらしい兄の合格いのってる
上履きのすみっこ痛い始業式
今回は気合いが入る初詣
温暖化十四日のチョコが溶けるかも
美とは何かんちがいしてる人がいる
さむすぎて口が楽器になりました
宿題の波押し寄せて終わる夏
三者懇ぎくぎくと鳴るいすとぼく
向日葵が「宿題平気?」と言う気する
鳥たちよたまには地面で休みなさい
初みくじ凶でも吉でも私の人生
ほくほくと父そっくりの栗たべる
かけ声がやけに大きい寒げい古
恋心隠して続ける交換日記
先生のつのが見えだす春の午後
久しぶり黒髪の私初々しい
かあさんがおとなしくなる花粉症
ヒグラシの夏バテ気味ののど自慢
できたての甥が主役のお正月
銭湯で小さくなった父を見る
弟に星座教わる冬休み
心中の理想の人はおじいちゃん
数の子を食べてプチプチ三時間
赤ちゃんの握り返した手の強さ
自転車のスピードおとすさくら道
国会や雪合戦と水鉄砲
ママとするメールはいつも定型分
勉強をしない理由はセミの歌
強そうなつららが屋根にへばりつく
参観日「くるな!」と言いつつ母さがす
単身の父の帰りを待つギター
この空のむこうに地雷うそのよう
鬼やんま追ってはみたけどここはどこ
試験後の周りの世界の新鮮さ
吉野ケ里祖先の家だおじゃまします
この涙武器になるなら流します
初キスの味はいつでもハミガキ粉
受験生私の今の肩書きです
すれちがう人で時間がわかる朝
太陽の色をうけとるプチトマト
小麦色筋肉全開女子テニス部
ふってるのかすいこんでるのかぼたんゆきよ
愛のボールなんで真っすぐ投げられない
引っ越して畳の匂いしみる不安
背すじまでしゃんとなるよな石畳
彼氏でき門限できた我家かな
大掃除昔の日記の誤字を知る
大掃除完璧主義で困る父
じゃんけんぽん一瞬沈黙全員パー
ママきれい子供に言わせ自己嫌悪
おやまぁこんなところにてんとうむし
ゲレンデで私の気持ち直滑降!
なごり雪渡せないチョコ下校する
最近のプリンも男もやわらかすぎ
みつばちが試食楽しむ花畑
産声を携帯電話で中継し
産声が「初めまして」と言っている
夏陽より熱く輝く丸坊主
落ち込むな星の数だけ職はある
渋柿と知ってカラスが捨て台詞
父の足嫁ぐ私の影を踏む
バレンタイン優しい男昨日まで
春風でせんたくものがバタフライ
親孝行してるつもりがパラサイト
親心ありがた迷惑な事もある
水芭蕉この世に男いらない日
冷蔵庫開ける癖まで里帰り
右足と決めて靴履く発表日
タオルからまたもや逃げる裸の子
蟻や蜘蛛、すべてに「さん」がつく育児
告白も別れ話も親指で
鼻歌にカラスが合の手入れてくる
耳たぶで支えきれない蝉時雨
晩酌の相手のインコは聞き上手
風の道見える気がするきびばたけ
葱坊主てんとう虫の飛行台
甲子園筋肉質の夏の雲
きらきらと空に求婚してる海
コンビニに置いていないかお嫁さん
ゴミ袋の中でも北を向く磁石
1年生体操服がうしろまえ
ナベ奉行昼はやさしい公務員
あめんぼう踏むステップは超難度
恋猫の集まる郵便ポストあり
節分の鬼が呑んでる缶コーヒー
春が来て夕日をゴックン日本海
断絶のまん中におくおでん鍋
少年に男がにおう寒稽古
焼き芋がうまい今夜は雪らしい
初孫がすくすく育つ音がする
母親とつないだこの手彼のもの
もちつきて日本と言う名の味がする
飼い主にそっくりの犬と日向ぼこ
山間の流しそうめんリスも来る
少年のあくび豪快春の窓
スケボーでえいと地球を蹴っ飛ばす
猛犬の腹やはらかき日向ぼこ
初大師みんな百まで生きる顔
B型は切替へ上手サングラス
人老いて雛菓子だけの雛祭
薫風の原宿暇な献血車
サーカスが来るぞマフラー蝶むすび
アザラシのひげも固まるしばれかな
白鳥の白の真白はロシア系