伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第十三回
佳作特別賞
雪かきで親子の会話つもってく
置き時計いつも静かに僕を見る
青い空動物園がうかんでる
星空にミルクこぼせば天の川
しずくして檸檬の香るさわやかさ
大津波地球が大きく咳こんだ
作文の課題を前に息詰まる
夕立に逆らってみた十四の夏
十五才そろそろ現実見えてくる
髪を切り昨日の自分も切りはなす
豆腐屋のラッパ尾をひく秋の夕
付いてくる太陽からはにげられず
くり拾い心のとげがぬけていく
三年生武者震いする三学期
お手軽に伝統守る七草パック
青空の高さをはかる凧三つ
大好きな祖父と一緒に田植えして
葉を盾に風と戦う秋の虫
祖父たちの笑顔に会いにバスに乗る
おもちつき祖父より長生き古きうす
知りたくて君の心の暗唱番号
大根引く地球のひげを抜くように
北風に行けよと押され塾に行く
何故なのかうちの蜜柑は顔がある
大たんにはみだす一字筆初め
雪の中シカの親子が寄りそって
青い風夏のにおいをつれてくる
息白く駈けて幸せそうな犬
ずぶぬれのTシャツしぼる虹の下
大きめの制服を着た春の朝
どんぐりはまだ緑色坂の道
アイロンをかけたはかまで寒げいこ
コンパスを使ったような秋の月
一日中俳句考えかぜをひく
海の音静かに聞こえ夏終わる
次こそはこの右足で決めてやる
夜のなべ家族の愛もコトコトと
しかられてこたつの中で石になる
梅雨晴れの主役は太陽光る海
2002年今からだなぁだるいなぁ
ひときれのパンが命の国がある
冷たい手指の間があったかい
おせち食べアフガンの子らふと思う
久々に母と語らう露天風呂
くつとばし小さな予報士うれしそう
小さな手誰かにとっては大きな手
沼風でサーフィンしてる赤トンボ
毛糸編むあなたが針の先にいる
ねこじゃらし地蔵をくすぐりあはははは
携帯を意味無く握る冬の夜