受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

佳作特別賞

カバの上パンダの上に木の葉降る

東京都 大工 るり子 43歳

何色でいてほしいかと虹がきく

東京都 大内 ジュン 43歳

大きい目小さい目にも冬の星

徳島県 飯尾 久美二 43歳

金メダル味わい深き孤独かな

北海道 武澤 ひろみ 44歳

夏惜しむ山の哲学海の詩

東京都 川端 庸子 44歳

汗かいているから本気かも知れず

岐阜県 曽我 真理子 44歳

住宅ローン家を背負ったかたつむり

香川県 秋山 富子 46歳

真ん中で手足投げ出す夏座敷

大分県 川野 智子 46歳

秋刀魚焼く母が忍者のように見え

東京都 浅野 幹男 47歳

きりふだは昔もらったラブレター

大阪府 竹本 教 48歳

庭の猫プクと小さな咳こぼす

神奈川県 三澤 清太 49歳

わらびわらびここにもわらび笑っちゃう

埼玉県 松本 良子 50歳

職退きてリバーシブルを裏返し

岐阜県 鈴木 由美子 50歳

怒ってる時だけ自分でお茶入れる

大阪府 吉田 くす子 50歳

叱られて童話のような月ひとつ

茨城県 中澤 てる江 52歳

くしゃみしてずり落ちそうな屋根の雪

埼玉県 高橋 京子 52歳

名月やかわいくなった母てらす

千葉県 橘川 保子 52歳

携帯電話天高すぎてつながらず

千葉県 丸茂 和志 52歳

この冬も家族ごっこの鍋囲む

東京都 塚田 はるみ 52歳

凍返る空かきまわすヘリコプター

愛知県 滝川 節子 52歳

卆寿の日小さな小さな母に会い

埼玉県 千葉 能子 53歳

薄氷をこわさぬやうに教室へ

千葉県 田中 清七 53歳

凩に猫も早めの帰宅する

神奈川県 熱田 秀子 53歳

秋空を蹴って少年とんぼ切る

群馬県 川野 忠夫 54歳

てふてふと書けばやはらかさうな空

東京都 諸井 末男 54歳

寒がりの母たまねぎになってゆく

東京都 與安 佐和子 54歳

車窓より桜樹多き街と知り

兵庫県 小山 惠子 54歳

父の日の母が語りし父のこと

神奈川県 鹿野 美千代 55歳

梅よりも和服の人に目が移る

三重県 竹嶋 三郎 55歳

向日葵のいくつ咲いても過疎の村

埼玉県 加藤 親夫 56歳

寒風に向かいたてがみ欲しくなる

埼玉県 佐竹 咲子 56歳

少年の主張のような冬木立

神奈川県 北村 純一 56歳

蟷螂や赤信号のド真ン中

愛知県 伊藤 弘子 56歳

幸福も羽毛布団の軽さ程

埼玉県 伊東 清 57歳

夫いてお茶お茶お茶と日が暮れる

千葉県 小池 セツ子 57歳

初夢や思い出せない手を繋ぐ

千葉県 山本 敦子 57歳

病院の中庭せましつばめの巣

埼玉県 横山 きく江 58歳

熟年のパソコンに向く冬の夜

静岡県 大石 壮吾 58歳

ひとりでみるから淋しいテトラポット

京都府 鹿山 末広 58歳

リストラで我慢おぼえた靴の底

千葉県 野口 義昭 59歳

恐かった天井の節今もあり

千葉県 大島 功 59歳

逢うとまあけんかもするが君が好き

愛知県 射場 正 59歳

福は内怒りを捨てて笑みを足す

群馬県 今井 稔 60歳

図書館にバスに私の指定席

埼玉県 和泉 純子 60歳

江の電の窓から春をわしづかみ

神奈川県 青木 恭子 60歳

うしろから何か出そうな夏の雲

神奈川県 伊藤 正夫 61歳

花粉症らしき鴉とすれ違う

大阪府 守口 輝夫 61歳

連なりし目刺しにもある一呼吸

神奈川県 福原 瑛子 62歳

銀河より水こぼしおり流星群

神奈川県 菊 朝臣 62歳

白障子閉めれば部屋の秘密めく

兵庫県 西川 美津子 62歳

  • X