伊藤園 お~いお茶新俳句大賞 第三十五回 結果発表
たくさんのご応募ありがとうございました。 応募作品数日本一の創作俳句コンテスト「伊藤園お〜いお茶新俳句大賞」。 第三十五回の応募は188万9,582句。 第一回からの累計は、4,546万6,720句となりました。 ご応募をいただき、本当にありがとうございました。 たくさんのご応募の中から、見事入賞されました作品7,000句を発表いたします。
大賞
優秀賞
他入選
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浅井 愼平写真家
新俳句大賞の持つ自由な雰囲気。気づけばこのコンクールの個性のなんと伸び伸びとしていることか。さまざまな審査会に縁があるけれど、このコンクールの自由闊達さは特別なものだと感じる。俳句という表現が、これ程、自由に飛び交う場は新俳句大賞の誇りと言っていいだろう。伸び伸びと、深々と、人生への感慨の俳句と縁を持つことになった幸せに感謝している。
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安西 篤俳人
今回から新たな審査員として、堀田季何、神野紗希という売れっ子の若手俳人が加わり、審査会に新風を吹き込んでくれました。審査自体は、これまでの審査員のリードで進行しましたが、審査過程の発言に、移りゆく時代の空気が感じられ、作品の世代を越える感覚の共感と多様性に気づかされることが多かったように思います。この傾向は、ここ数年間に次第に変化の姿をあらわにして来そうな感じがしてなりません。
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いとう せいこう作家・クリエイター
若い審査員が二人増え、議論に別角度が足されてスリリングな回になった。おかげで予想外の「風」が吹き、俳句に新しい生命が宿ったように感じる。応募の皆さんもそんな我々を信じてどんどん書いて送って欲しい。
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金田一 秀穂日本語学者
相変わらず言葉をぞんざいに扱う世間の風潮の中で、お~いお茶の選の席では、心を込めて大切にされた言葉たちに会うことが出来て、心が清潔になるような気がします。このような新しい伝統がいつまでも続いていくと、日本も捨てたもんではないと思えます。来年もよろしく。
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神野 紗希俳人
はじめて参加した審査会は、青葉を吹き渡る風のようにのびのびと自由な場でした。俳句とはこうだ、と決まった枠に当てはめるのではなく、目の前の一句が心にどう届いたか、今の社会にどんな言葉が必要か、まっさらに向き合い、とことん語り合います。凝り固まった心をほぐし、この世界も悪くないかも、と思える作品とたくさん出会えました。難しい時代だからこそ、シンプルな言葉が大切です。俳句の灯す小さな光を、信じています。
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夏井 いつき俳人
若き俳人お二人を加えての新たな審査会。いつにも増して闊達な議論がかわされました。一方向からでは見落としがちな視点を、複数の目によって補填していく、バランスの良い選考ができたのではないかと思います。金子兜太先生が提唱された「新俳句」という概念は、私たち選考委員が選び出した句によって、理解され浸透していくものだと考えます。今年も、私たちからのメッセージを受け取って頂ければ幸いです。
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堀田 季何俳人・文芸家
今回、初めて最終審査に参加しました。緊張もありましたが、俳人の視点から、忌憚なく意見を述べることができたと思います。それにしても、他の審査員の先生方が幅広い視野と深い洞察をお持ちで、素晴らしいこと! お蔭様で、闊達な意見交換ができ、最高に気持ちの良い審査になりました。また、何より、俎上に載っている新俳句の作品が素敵なのです。作品あればこその審査です。あの世で兜太先生も杏子先生もきっとお喜びでしょう。
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宮部 みゆき作家
毎年この審査会では、とても大きくて温かくて、形がはっきりしないけれど手触りが優しい「何か」をひとときお預かりして、審査が終わると名残を惜しみながらその「何か」とお別れするような気がします。俳句にはまだまだ不勉強な私がたくさんの秀句に会って思うこと、感じることを、その「何か」がいっぱい吸い込んで保存してくれて、次の年にまた会うと、「これが去年までのアナタ。今年のアナタはどんなふう?」と問われるような気もします。成長したいなあ。今年は思うような結果が出なかった皆さんも、来年またお会いしましょうね。
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村治 佳織ギタリスト
柔らかなお心をお持ちの吉行和子さんが審査員を卒業され寂しい気持ちがありますが今年、素晴らしい二名の先生をお迎えし新たな空気感で審査会が行われました。これまで出会わせていただいたすべての審査員の先生方より言葉の奥深さを学ばせていただいています。今回も解釈の多様性に感銘を受けました。音楽とは違う表現方法である、言葉の世界への敬意を持ちつつ、言葉の響きにも、意識が向いた選考会でした。実りある時間をありがとうございました。
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アーサー・ビナード詩人
ぼくが俳句をひねろうとするときは、動植物や自然現象を観察して掴んだことが、出発点になる。日本語の作句なら季語を盛り込むし、英語の作句でも季節を感じる言葉を選ぶ。35回新俳句大賞の英語作品に目を向けると、むしろ人間観察からわいてきた句が多いことに気づく。人の面白さを描く器としてHAIKUがいかに優れているか、実感できる。豚を買うために貯金するクロアチア人が登場すれば、深夜のコンビニで遊んでいる日本人もいて、すでにPeople-Watchingがジャンルとして成立しているのだ。
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星野 恒彦俳人
今回は世界60カ国から、3万を超えた句が集まりました。予選を通過した作品では、日本の中学・高校生が大半ですが、広い多様性の上で、外国人の作品も貴重です。名詞を断片的に並べただけの安易な作が目につく一方、動詞のよく働く(現在分詞も含めて)句が、入選に多くあります。それが若々しい活気をもたらします。日常生活の中でのちょっとした発見や心のゆれ・動きをことば(英語)にすることを愉しみましょう。