伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第三十五回
優秀賞
小学生の部(幼児含む)
はたらくショベルカーにじつかんでるよ
ぼくがはなびになったらぱぱどうする
かくれんぼ大きな町にかくれてる
こうえんのでんきのうらにつきがいる
ごちそうが新宿みたいなお正月
友達と猫背になって書く俳句
ぼく達は素数と同じ変われない
中学生の部
のんのんと蜘蛛が幾何学広げたる
ミの音が赤い椿に届きそう
イヤホンを外されし耳春を待つ
大根を持って走って転んだ日
君といると私はいつもシクラメン
クリスマスもらったギターに名前付け
ふぐみたいぼくのちしきはパンパンだ
高校生の部
ダイコンよ君はおでんへ入りなさい
三月の夜の重さのチョコレート
全員が独りぼっちの上映後
昼の月世界の縫い目を見つけたの
夜の素描怪物のよう歪んだ手
降る雪が全部テストの答えなら
風船が宇宙へ向かって落ちてゆく
一般の部A(40歳未満)
秋高くして私に染まりゆく6畳
かき氷全部混ぜても君が好き
夜の神輿能登の男として担ぐ
花束は黄色二月をはみ出して
かっぱにも流されたくなる時がある
おにぎりに梅と勇気をねじり込む
寄港する灯油ストーブある書店
一般の部B(40歳以上)
あちこちでサイダーの開く列車待ち
レース着て今日風曜日と決める
神様のポケットの穴流れ星
ハロウィンの帽子忘るる診療所
花ミモザやかんに生ける赴任先
母はもう蛸かもしれず夏の月
つぶ餡のような春です眠たいです