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受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

審査員賞

浅井愼平選

ひさしぶりのちゅうしゃ目つむる

富山県 堀 菜月 7歳

その場、その時の気持ち、感情が、そのまま俳句になった。句は七歳の日の詩情となって読む者にもリアルに伝わって来る。俳句という詩形が持つ、個性の強さ。そして、内容の深さにも関わらず、軽やかな響き。まるで短編小説のようですらあった。

堀田季何選

音楽家頭の中が楽器だな

滋賀県 水元 結菜 11歳

水元さんの俳句は、楽器演奏の本質を言い得ています。指の速さや正確さよりも大切なのは、どのように曲を解釈し、どのように表現するかで、いずれも頭の中のことなのです。まさに、音楽家は「頭の中が楽器」ですね。

神野紗希選

ごみ出しのぼくをはげます流れ星

福岡県 早起 孝亮 14歳

夜のゴミ出しは暗くて心細いですよね。お手伝いも大変。でも、頑張るあなたを見ている人はきっといます。流れ星もそう。一人じゃない、そう思えた夜を優しくシェアしたこの句は、誰かをはげます力を持っています。

夏井いつき選

家に旗明るい魚が泳いでる

埼玉県 林 蒼空 15歳

祝日の日章旗でしょうか、住宅展示場などに飾られる万国旗かもしれません。明るい日射しにはためく旗が、「明るい魚」の泳ぐさまに見えたと読み解きました。季語はありませんが、この感知そのものが素敵な詩です。

宮部みゆき選

売店のちょっと陽気なサングラス

福岡県 中松 純 15歳

一昨年、初めて入院と手術を経験しました。幸運にも命にかかわることではありませんでしたが、それでもちょっぴり不安なとき、売店の色とりどりの商品が目にも心にも嬉しかった。その記憶とともに、忘れがたい一句です。

いとうせいこう選

露天風呂おばさんたちの魔法陣

大阪府 三浦 優菜 16歳

露天風呂を楽しむおばさま方が輪になってしゃべっている。あるいは点々と自分の好きな方向を見ている。なんにせよ、それを魔法陣と崇めるように、または微笑むように見ている作者の優しさがいい。面白い。

村治佳織選

夏来るこんな地球の青を聴く

岡山県 村上 明由 25歳

音の色、と書いて「ねいろ」。多彩な音色を出せるべく日々演奏の表現と向き合っている身にとって、地球の青を聴くという表現に刺激を受けました。視覚・聴覚の枠組みを超えたスケールの大きさを感じさせられます。

金田一秀穂選

まだ去年にいたいと猫に言ってみる

愛知県 田中 琢斗 29歳

正月を前にして、新しい年を迎えることの緊張にたじろいでいる。ただし、そんなに強い緊張でもないので、身近にいる猫にむかって、ちょこっとこぼしてみた。共感。

安西篤選

添い寝する犬とねこにも多様性

京都府 森 真由子 63歳

飼い犬と猫が、仲睦まじく添い寝しています。同じ屋根の下で暮しているうちに、お互い家族と認め合うようになったのでしょう。こういう異種同士の交流感にも生きものの多様性が感じられます。

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