伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第三十五回
佳作特別賞
手がじんじんむちゅうでやった雪合戦
ゆきだるま最後に決めた鼻の位ち
ロウバイを知ってる君は花図かん
春の川桜色した淡い空
夕焼に影絵完成木と僕の
ビオトープ海を夢見る熱帯魚
飛行機のしっぽで天気予想する
秋風にどんぐり夫婦の舞踏会
月光が明日の私を照らし出す
きざみねぎ少し効かして蕎麦湯かな
燕飛ぶ水平線はどこまでも
あこがれのピアノ曲弾け冬うらら
年も明けいつまで残る雪だるま
北風にふかれたさきの桃源郷
朝顔と傘をひろげて雨宿り
外に雪俺のハートで溶かそうか
覗いても見えぬものある望遠鏡
床屋行きさっぱりと寒い夜空かな
前髪に敵を打ちたい向かい風
教室の冬の陽だまりまどろんでる
青空に白鳥の群れ舞い渡る
初電話いつもの祖母の加賀訛り
前髪を切りたいと思う夕焼かな
透明なゼリーみたいな秋の恋
一月の乾いた口を開けている
前髪を吹き上げる風十二月
興奮の心音味方に上がる幕
願書出す雲ひとつない冬の空
ラッパーが踏み続けてる雪と韻
トンネルの向こうの冬に会いにゆく
ブレザーが柔らかくなる冬の頃
お弁当踊る小さな宝箱
新学期新たな景色すれ違う
おおみそか変わらず父と歩く夜
紙ひこうき幼い頃へ飛んでゆけ
サングラス僕らの青春映し出す
深海の魚はいつも寂しそう
目を閉じると動いている春の夜
10キロの自転車通学最終日