伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第三十五回
佳作
ハロウィンはお菓子くれてもいたずらだ
夏の蚊が僕の周りに絵を描く
カメラ切るそこに写った雪と君
友達の眼鏡曇りし冬来る
あおむしがはじめの一歩探してる
お日さまの元気な挨拶みな起きる
ざくざくと霜踏み分ける通学路
五限目の秒針まるでかたつむり
台風後ベランダ開ければサメがいる
君待たせ急ぐ足音夏祭り
コタツでは丸くならない家の猫
友達にカレシができるクリスマス
夏の夜絶えず群がる光あり
昨日見たあなたと違う雪化粧
冬暁家が太陽隠してる
すぐ逃げろ入道雲に食べられる
監督が朝練なくして雪合戦
手袋を今年は絶対なくさない
夏休みAI頼る最終日
一年を重ねてたたむおもちつき
思い出す常にマスクのあのころを
かなしばりいやこれは違うかじかんだ
ゆきだるまおまけに付いた困り眉
悩みごと砕いて夜空に散りばめる
被写体はお守り持つ手君と僕
木枯らしにふと見あげた天使の梯子
シャーペンと流れる無音と蝉の声
洋食屋仲間に入れて蛙の子
眠そうな君の横顔春近し
新しいショルダーバッグ夏期講習
この頃は成績表が牙を出す
ツバメの子大きく育てパトロール
単語帳付箋で彩る抽象画
虹の根を探し求めて十七年
春近し寝起きに作る目玉焼き
卒業式ズボンの丈は余るまま