過去の受賞作品

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  • 過去の受賞作品 第三十三回 

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

都道府県賞

愛知県

バリカンでぼくの頭もころもがえ

浅野 尚映 11歳

菜の花のにおいをたどれば祖父の家

苗村 歩実 12歳

せみしぐれ今はいらない置き時計

山口 眞聖実 19歳

初蝶を離したがらぬ花ばかり

北川 宮子 36歳

かろやかに音を散らして夕立来る

神戸 隆三 73歳

三重県

妹がおしゃべりしてる風鈴と

前川 奈菜子 13歳

太陽に届けと朝顔つる伸ばす

西村 公希 13歳

サドルから立ち漕ぐ朝や山眠る

木内 梨乃 16歳

落ちそうな出窓に並ぶつるし柿

清長 舞 17歳

満月や退職前夜の靴磨き

伊藤 かおり 60歳

滋賀県

鉛筆の芯が言葉に変わってく

出口 陸人 14歳

頬紅や昨日より濃い冬牡丹

藤原 穂香 20歳

かまきりよいつも立派でなくていい

下野 たづ 69歳

現世の裏も透かして冴ゆる月

菊地 りえ子 71歳

やっと湧く句想を壊す嚔かな

寺村 房子 80歳

京都府

けん玉のひもちぎれるまでお正月

広田 野乃花 9歳

のちの月となりの家はカレーかな

小東 愛奈 11歳

妹の小走りの先年賀状

岩本 優花 14歳

四畳半ここが宇宙と猫に言い

嶋 孝脩 23歳

少年に見つけてほしいかぶと虫

中西 正人 59歳

大阪府

またのぞきあまのはしだて雪の中

森下 心晴 8歳

梅雨の雨そっと外したヘッドホン

相川 夕菜 14歳

蝉しぐれ献血注射の針ひやり

藤浪 文那 15歳

小吉や喜び方が分からない

勝占 流依 16歳

スケッチの余白は秋の風となす

小森 孝敏 76歳

兵庫県

かみなりを家でながめる天体ショー

髙岸 みなみ 12歳

あの夕焼人生に残る一品よ

桑名 要 14歳

餅つきの余韻が残る二の腕に

小川 葵咲 17歳

雷を撃ちかえしたいような恋

梶原 大賀 24歳

ヒール脱ぎ少し銀河の遠くなる

下司 惠美子 70歳

奈良県

お月さま歩くたんびに場所ちがう

千賀 大和 9歳

雨に散り道をいろどる大手毬

野口 和奏 12歳

シャンプーの杏の匂いで春が来る

樋口 聖都 20歳

東京の空にもとんぼ内定式

小倉 静香 32歳

悴みて許すこころの半開き

森重 則昭 74歳

和歌山県

青空もみどりにそめるお茶畑

鳥居 かのん 11歳

白い息体からぬけどこへいく

廣井 優希奈 12歳

万歩計風の中なる岬あり

堀切 隼多 16歳

乗り過ごし気づけば異郷春うらら

前島 美咲 17歳

風鈴の音や縁側透きとおる

楠間 麗奈 20歳

鳥取県

影伸びる夕日と月とカレーの匂い

山本 青依 17歳

方言を捨てた案山子が立つてゐる

漆原 正雄 36歳

父さんもじいさんも婿冷奴

長曽 宏隆 40歳

夕焼けを飲み干してなお海光る

安井 斉希子 50歳

無花果にブラックホール見つけたり

藤原 博志 63歳

島根県

サンダルと海へ行こうか足はずむ

中村 花 11歳

水平線秋を両手に一直線

鷲野 紘之 14歳

泥んこに強く根をはる土筆かな

島田 悠良 17歳

大好きが包みきれないオムライス

高橋 聡美 31歳

凍て空やできない理由は飲み込んだ

黒崎 なつき 36歳

岡山県

幼犬の愛嬌振りまき春来たる

佐々木 結愛 13歳

スーパームーン大きくなっても触れられない

中村 友梨香 16歳

冷蔵庫一番手前に立つ卵

高橋 勇 16歳

十代は蛍のようなものだった

金山 千夏 17歳

わたしだけ分かる印を初暦

高原 晴子 65歳

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