伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第二十五回
優秀賞
小学生の部 (幼児含む)
名月がコップに入りのめないや
ただいまにアンパン一つこたつの上
弟がわたしの顔見て豆なげた
満るいのこの一球がぼくの夏
ささぶねにのったらきっと船よいだ
暗い夜白い雪が光りだす
春風をきゅっと吸い込み打席に立つ
中学生の部
金魚鉢ガラス一枚別世界
秋の道大物役者の気分だな
母さんの化粧している枇杷の花
鳥かごもきれいになって除夜の鐘
ねころんで見えた未来に手をのばす
不思議だな俺の部屋だけ隙間風
いじわるな夏の大雨君のよう
高校生の部
蜃気楼悩み事を言ってみな
十二月言葉が白く目に映る
いつもより話したくなる雪降る日
雪しずり別れるように落ちてゆく
鰯雲ペンギンたちが空を見る
かたつむり乾いた街の長い影
さみしさを秋のせいだと思いたい
一般の部A (40歳未満)
笑顔まで同じ阿吽の祖父と祖母
流星群甘く感じた金平糖
春時雨何もなかった日の匂い
紙ひこうきどこに降りても笑う声
新じゃがの青さいつかのわれに似て
赤ちゃんの爪切る雪の日曜日
声変わりして変わらない山笑う
一般の部B (40歳以上)
八月の記憶薄るる母を抱き
引き抜けば騒ぎ出したる落花生
こんにゃく玉のように百歳笑ってる
こおろぎの息をつぐ間の手酌かな
冬の星一つは宇宙ステーション
蟇お前と同じ現住所
お嫁さん来てこの村の水澄めり