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受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

審査員賞

金子兜太選

パパとじじぼくがならんでうり三つ

千葉県 渡邉 雄磨 8歳

八歳の雄磨君の作品にひかれたのは、「うり三つ」と、パパと祖父と自分がよく似ているのを、気持ちよさそうに自慢げに、スパッと言っている、その少年らしさが好きだったから。それに「三つ」とは愉快。

鈴木敏夫選

六年後大人になんてなれるかな

大阪府 大洞 優月 14歳

ぼくにしても、中学生の頃、ずっとそう思っていました。そして、いまも。優月さんは素直に書いたのでしょうが、この句は現代日本への痛烈なコピーになっています。モノクロのクラス写真に、この句を大きく入れたポスターを想像しました。

安西篤選

ほくほくとかぼちゃのように笑う母

東京都 大和田 更紗 17歳

冬場の温かい家庭料理にかぼちゃの煮付けがある。煮立ったばかりのかぼちゃを頬ばる感じが、「ほくほくと」だろう。家族皆で食べているのだが、中でも作ってくれた母の笑顔は、「かぼちゃのように」明るく楽しげに見える。おそらく皆の美味しそうな食べぶりに、満足しているからにちがいない。「かぼちゃ」の形容が決め手。

黒田杏子選

母になる私を映す春の川

大分県 岩本 梨沙 25歳

春の川がこの句のよさを決めています。はじめてのお子さんの誕生を待っている若い女性のよろこびと期待といささかの不安と。そんな人間のすがた、こころのありようすべてを春の川が受けとめ支えているのです。

浅井愼平選

人間は可笑し山椒魚もまた

奈良県 杉田 菜穂 33歳

人間と山椒魚の出会いを素直に個性的にまるで自然に口をついて出たように句にしている。なんだか温かく、とても気持ちがいい。作者も素敵で可笑しい。

紫舟選

ああ今日は父の日だったと米を研ぎ

東京都 小川 かをり 54歳

非日常の事態がやってきたときこそ、父の出番、父が頼り。しかし毎日のほとんどは、いつもの日常、父は非番、平和。一言一言の選定が、穏やかな暮らしを代弁しているようです。

吉行和子選

日向ぼこどちらも無口雲笑ふ

岩手県 平牛 喜孝 82歳

信頼し合っているお二人、言葉なんていらない、日向ぼこ、いい気持ち。なんて長閑なひとときなのでしょう。紫外線を恐がっているようでは、この幸せな時間はやって来ませんね。反省。

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