伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第二十一回
優秀賞
小学生の部 (幼児含む)
ともだちはいつもぴかぴかひかってる
高くからがんばれよとふじの山
えんぴつ置くスズムシを聞きたくて
逆上がり見えない坂をかけ上がれ
かるた取り初めて祖父と手がふれる
すきとおる空に手伸ばす冬の朝
秋の空主演青空助演雲
中学生の部
大阿蘇に牛の鳴き声こだまする
お月様ついてくるくる鬼ごっこ
三日月もたまにつかれて横になる
夏の朝母のピアノで目が覚める
石油屋が引きずってきた鉛空
風車色とりどりに風を待つ
母の顔私が刻んだ皺もある
高校生の部
木枯らしに悪態をつく帰り道
縄跳びの縄に弾けた初時雨
君笑う線光花火が落ちてから
首元に電車の風がすべりこむ
明月や小指とどかぬ母の琴
黒髪の結び目作る紋白蝶
マフラーの長さが僕と君の距離
一般の部A (40歳未満)
海の中魚の涙誰も見えない
夏空を千切りにするブラインド
さっきまで窓をはみ出すほどの虹
狛犬の影がしみこむ石畳
凧を引く糸まで染まる青さかな
月光に口を開けたる非常口
三日月に鍵差し込めば夜明けかな
一般の部B (40歳以上)
忘れ物です赤ちゃんの春帽子
こんな日はスローなジャズで夕野分
あおぞらの高さにぼくの椅子が在る
身じろぎをして凍鶴にまだなれず
吊りおきし服そのままに夏が逝き
水仙や離れて一人在るも好し
百余年生きこし島や初明かり