伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第二十一回
佳作特別賞
少しだけきれいにした部屋初日の出
ほうき持ち魔法使いになれる昼
枇杷むけば一つ目小僧飛び出した
節電し俺にもつくかエコポイント
バラが咲くそばにいる人が好きです
百日紅老女をかかと笑わせて
稲穂肥ゆ人の幸せ作るため
影法師笑顔の私泣いている
還暦の母のがんばり膝こぞう
初夏の香が私をひとり歩かせる
イヤホンに秋風混じる帰り道
この言葉今言わないとダメになる
春の風届いていますか僕の声
学童に白フリージアのあどけなさ
雪だるまふたつ作って願い事
我が道は夕立ありてまた晴れて
北風に見送られ行く一人旅
女運かかっておりますひな祭り
オリオン座見上げる僕を見つめてる
還暦の父の背を押す春一番
いつからか涙もろくて鰯雲
子が駈けて落ち葉転がる芝生かな
明日からもここにおります渡り鳥
雨樋を伝いし露が夏を告ぐ
青竹の凛の感じを真似てみる
滑らかに夏を吸い取る黒い猫
重力を感じさせない神の舞
クリスマス草食男子の巻きキャベツ
山茶花や一輪凛と先見つめ
白い息二つふんわり並ぶ夜
星月夜賢治がいますそこここに
花嵐でんと構えし地酒かな
母の掌の愛のまほろば眠り草
雪を見て天国の声聞きとれた
お月さま狼にしてよ草食系
稲光空の誰かの落とし物
手に入れた虹のかけらは楓の葉
資源ごみの日たんぽぽが咲いていた
見に行こう今年も君と冬景色
上弦の月夜に急ぐ帰り道
金魚鉢反転世界の水の向こう
リンゴより小さな満月掴めぬ手
足早に向かう先には彼が居る
この寒さ家族が肩を寄せ合わす
五線譜に休むつがいの鳥の歌
缶ビール父と分け合い年を越す
秋風に絡める足の細さかな
柿買って夕焼け空を連れ帰る
凍る朝バス待つ空に月の笑み
里帰り姉妹で語る旦那自慢