伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第二十一回
佳作特別賞
入道雲プールに映る映画館
文化祭ほくほくうまいあげたこ屋
原付と夏の憂鬱とばした日
恋してる私の感情いちご味
雲を見てお前は楽だと呟いた
二人乗りあなたと僕はさくらんぼ
こわれぬようそっとつかむ三日月を
ブロッコリーおさらの上でしゃべってる
冬型の気圧配置のお年玉
おにごっこ落ち葉が逃げて風が追う
節分の鬼を泣かせる母強し
別れ際君の頬から雪落ちる
台風だどこか心がおどってる
雪溶けのなんと優美な曲線よ
活けづくり鯛と目が合いビビる僕
太陽がみんなの心に春を呼ぶ
軒下に背伸びしたいと氷柱たち
虫眼鏡僕の明日も覗けるか
ありますよ春夏秋冬心にも
パパのデジカメ映るすべては我が娘
夕焼けに向って吹いたトランペット
ミドリガメひっくり返ってはい降参
初雪は言葉のようにきえちゃった
初しもがおりたらしいと風に聞く
もうもうとたちのぼる湯気町の息
白い雪少しだけならいいのにな
大家族まるで小さな動物園
消し忘れた黒板に残る昨日
春風に我が身を預け一人旅
祖父の部屋あっけらかんと春が来る
残雪も今年で見納め故郷の山
泣虫が野球と出会い巣立鳥
弟がいきなり黙る通知票
夕日から伝わるものがきっとある
ポケットに君の温度が入ってる
同じ道違って見える別れの日
雪だるま明日もそこにと目を閉じる
七十三まだまだ青春祖母笑う
就活の結果を言えない両親に
失恋にかすかに歪む冬景色
痩せていく毛糸は愛へ移りけり
一瞬で主役になれる花火かな
君と来た砂浜はもう秋の風
帰郷して漁の手伝い冬のハマ
我が心つぶされやすいアルミカン
マフラーを巻いてから出す黒い髪
牛の声青空高く澄みわたる
秋風や人恋しいと牛が鳴く
スカートと一緒に踊る花吹雪
指出しの手袋残るセールかな