伊藤園 お～いお茶新俳句大賞
第二十一回
佳作特別賞
青春の一本道に桜咲く
カブトムシ俺の季節と胸をはる
翼広げ空を抱える夏の蝶
ねえ聞いて都会で蛍を見たんだよ
ふぐちりのしめのぞうすい父の味
父も子も寝癖頭ではつもうで
豆まきに会社帰りの鬼が来る
膝に猫載せて物書くこたつかな
ひっそりとリフトが冬を待っている
遠雷に負けぬ太鼓の夏祭り
寒稽古風が体につきささる
雪融けの早さで分かる春の距離
あの虹の下の家には誰が住む
カラフルな筆箱並ぶ新学期
かわいくない私より背の高い新入生
フキノトウ身震いしては雪はらう
電線の五線譜伝う五時の鐘
湘南の海とつながる鰯雲
初日の出日本の国旗描いてる
ここはどこ水族館の魚たち
ほととぎすまだ練習中舌足らず
オリガミの鶴が見つめる初日の出
不況でも絶えなく回る山手線
妹のブランコをおす赤トンボ
菜種梅雨小さな映画上映中
えんぴつの音が知らせる春近し
かたほうに手ぶくろつけてペンをもつ
靴ひもを結んで夏へ勝ちに行く
初春の富士を右手に風を切る
彼岸花思い出抱え揺れている
初日の出とても大きいメロンパン
宿題と椿がたくさん咲いている
南天が恋をはじめて冬がくる
マフラーの中でこぼれる本音かな
大空の抜け穴みたい白い雲
いつもより泣き虫な空夏が来る
ふり返りにっこり笑う冬帽子
漆黒に生命溢れる水の星
文化祭からすの役で楽しいな
みそづくりみんなの笑顔たるの中
いわし雲君の背中に乗せてくれ
弟の粘り強さがもちのよう
水たまり空の向こうに行けるかも
落ち葉着て寒さをしのぐ大地かな
誕生日人それぞれの季語がある
さよならはしないと揺れる八重桜
木漏れ日に照らされ友と話した日
道端に気付くことない未来の芽
しゃぼん玉私の未来見てきてね
手をつなぎ少し照れてるさくらんぼ
