伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第二十一回
英語俳句の部 大賞
-
no more than
half itself
the magpie in snow 訳/ やっと半身が雪の中から鵲(かささぎ)鵲(かささぎ)はカラス科のわりと大きな鳥で、北九州の一部にのみ棲むが、欧米各地の農耕地ではよく見かける。体は光沢のある黒と白の取り合わせ。餌の昆虫や小動物をあさるのが難しい冬場、半身を雪に没して黒だけが目立つ。厳しい環境を懸命に生きるタフな鳥の姿に打たれる。簡明に、印象強く詠まれた。
英語俳句の部 優秀賞
-
fallen leaves
come home
hiding in my father's overcoat 訳/ 落葉が帰宅するお父さんのオーバーに隠れて -
at sunset
my shadow
is on top of yours 訳/ 日没時私の影があなたの影の上に -
the old dictionary
yellow-tinged pages hide
a four-leaf clover 訳/ 古い辞書黄ばんだ頁が隠す四葉のクローバー -
geese in a line
eager beaks point high
in search of spring. 訳/ 雁の列嘴(くちばし)が高く指す春を求めて -
sea pebble
only for a moment
in a little hand 訳/ 海辺の小石ちょっとの間小さな手の中に -
a vole
in the watering can
again cloudless 訳/ ハタネズミがじょうろの中に再び晴れわたって -
sunny day
butter melting
on sweet corn cobs 訳/ 陽(ひ)の照る日トウモロコシの穂軸にバターが溶けて -
monday
a swarm of gardeners
on the tulips 訳/ 月曜日大勢の園丁がチューリップにかかずらう -
sleepy pond
tadpoles play tag
deep under 訳/ 眠っているような池底の方ではオタマジャクシの鬼ごっこ
英語俳句の部 審査員賞
-
bleak afternoon ―
on a black tree
the last leaf enduring 訳/ 寒々とした午後―一本の黒い木に最後の葉ががんばっている中高年の作であるこの俳句は自然の孤独さ、また、人生の晩秋へと向かって生きていくという一抹の寂しさのようなものを感じる。'bleak'と'black'の「bl」の音と「last leaf」にある頭韻が相まって句に心地よい詩的リズムを与えている。
-
riding school
the synchronised rise and fall
of ponytails 訳/ 乗馬学校ポニーテールがみな同時に上下乗馬学校で習っている娘さんの一団。進む一列が速歩に入ると、乗馬帽の下のポニーテールが、同時にリズムカルな上下運動をする。人馬一体の軽快な動きが、明朗でチャーミングな情景を結び、楽しい句となった。
英語俳句の部 後援団体賞
-
a house cleaning
precious memories
revive 訳/ 大掃除大切な思い出がよみがえる