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受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

英語俳句の部 大賞

  • no more than
    half itself
    the magpie in snow 訳/ やっと半身が雪の中から鵲(かささぎ)

    イギリス David Cobb 83歳

    鵲(かささぎ)はカラス科のわりと大きな鳥で、北九州の一部にのみ棲むが、欧米各地の農耕地ではよく見かける。体は光沢のある黒と白の取り合わせ。餌の昆虫や小動物をあさるのが難しい冬場、半身を雪に没して黒だけが目立つ。厳しい環境を懸命に生きるタフな鳥の姿に打たれる。簡明に、印象強く詠まれた。

英語俳句の部 優秀賞

  • fallen leaves
    come home
    hiding in my father's overcoat 訳/ 落葉が帰宅するお父さんのオーバーに隠れて

    愛知県 櫻井 絵理香 17歳

  • at sunset
    my shadow
    is on top of yours 訳/ 日没時私の影があなたの影の上に

    京都府 半井 春香 17歳

  • the old dictionary
    yellow-tinged pages hide
    a four-leaf clover 訳/ 古い辞書黄ばんだ頁が隠す四葉のクローバー

    京都府 荻野 慎也 17歳

  • geese in a line
    eager beaks point high
    in search of spring. 訳/ 雁の列嘴(くちばし)が高く指す春を求めて

    カナダ Amanda Tong 17歳

  • sea pebble
    only for a moment
    in a little hand 訳/ 海辺の小石ちょっとの間小さな手の中に

    クロアチア Dejan Pavlinović 42歳

  • a vole
    in the watering can
    again cloudless 訳/ ハタネズミがじょうろの中に再び晴れわたって

    ドイツ Martina Heinisch 49歳

  • sunny day
    butter melting
    on sweet corn cobs 訳/ 陽(ひ)の照る日トウモロコシの穂軸にバターが溶けて

    ニュージーランド Andre Surridge 59歳

  • monday
    a swarm of gardeners
    on the tulips 訳/ 月曜日大勢の園丁がチューリップにかかずらう

    ニュージーランド Barbara Strang 65歳

  • sleepy pond
    tadpoles play tag
    deep under 訳/ 眠っているような池底の方ではオタマジャクシの鬼ごっこ

    神奈川県 山上 元孝 79歳

英語俳句の部 審査員賞

  • フィリップ D.ジトウィッツ選

    bleak afternoon ―
    on a black tree
    the last leaf enduring 訳/ 寒々とした午後―一本の黒い木に最後の葉ががんばっている

    大阪府 森 昭人 68歳

    中高年の作であるこの俳句は自然の孤独さ、また、人生の晩秋へと向かって生きていくという一抹の寂しさのようなものを感じる。'bleak'と'black'の「bl」の音と「last leaf」にある頭韻が相まって句に心地よい詩的リズムを与えている。

  • 星野恒彦選

    riding school
    the synchronised rise and fall
    of ponytails 訳/ 乗馬学校ポニーテールがみな同時に上下

    ニュージーランド Ernest Berry 80歳

    乗馬学校で習っている娘さんの一団。進む一列が速歩に入ると、乗馬帽の下のポニーテールが、同時にリズムカルな上下運動をする。人馬一体の軽快な動きが、明朗でチャーミングな情景を結び、楽しい句となった。

英語俳句の部 後援団体賞

  • 国際俳句交流協会選

    a house cleaning
    precious memories
    revive 訳/ 大掃除大切な思い出がよみがえる

    広島県 川本 奈央 16歳

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