伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第十九回
優秀賞
小学生の部 (幼児含む)
北極の氷思ってテレビ消す
赤とんぼ夕焼けみたい目がきれい
しのび足昼寝の母を寝かせておく
高とびの高さがこわい秋の雲
ふぐなんて十年早いと母は言う
トマト手にのんびりゆっくり帰る道
通信ぼムンクのさけび並んでる
中学生の部
しゃぼん玉中であばれる光の子
剣道部袴の裾から冬が来る
飛び込み台心臓口から出てきそう
渡月橋吹雪の中の人力車
真っ昼間蝉と妹だけ元気
赤銅の潮焼けに染む父の笑み
再試験遠いところにある花火
高校生の部
ひな祭あなたの隣は私だけ
灰色の駅のホームに又三郎
改札の向こうの小春君がいる
浴衣の裾持ち上げ歩く石畳
コンビニがピンク一色いちごフェア
正月はなんだか家が保育園
掴めない君はてふてふどこへ行く
一般の部A (40歳未満)
青嵐負けず嫌ひな犬と行く
里帰りして雛の間に母と寝る
還暦にピアスを開けて母の春
北斎の富士裏返す青あらし
月光も重さのありて雪しずり
銭湯の煙突に見る昭和かな
水澄むや人を愛した記憶ほど
一般の部B (40歳以上)
とびっきりの蟷螂になる枯れ具合
麦藁帽気さくに被り修道女
二度鳴って電話の切れし春炬燵
閑に耐え老いて慣れたり日向ぼこ
吊し柿外してわれの農終わる
転ぶ児は転ばしておく草若葉
サングラスして会場の隅が好き