伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第十九回
佳作特別賞
ふきのとうもうすぐわたしは中学生
青空に空の警察トンビたち
冬の海なにか足りない気がするな
なべの中大根コポコポおどってる
風花のまう境内でみくじひく
日をあびてがんぐろ顔のつるしがき
衣替えせい服たたみ名札とる
かみ切ってプールモードに切り替える
百人一首これ覚えたらあれ忘れ
初雪が手紙のようにおりてきた
雪だるまきれいに作ってハイチーズ
母の背をぬいて嬉しいお正月
秋祭り主役をうばう屋台かな
白菜に初雪かさこ地蔵のよう
泣いてるとなぐさめに来るうちの猫
しゃがんだらちょこんとひざになれた猫
おいしいな三つ星よりも母の味
夕やけで天気を占う田んぼ道
自動ドア閉まれとどなる寒いから
ばあちゃんの家の戸開ければ茶の薫り
ままごとで雪がご飯に早変わり
くりたちがいがをはなれて出家する
気まじめな足あと雪のじゅうたんに
猛暑日に泳ぐぼくらは人面魚
手袋とマフラー入れるランドセル
宿題に追いつめられた夢の中
桜道しっかり歩く新学年
弟と早起き勝負連敗中
弟の家出はいつも三十秒
冬の日の体育の授業石になる
雪どけは何だか少し切なくて
もう卒業ぼくの六年は新幹線
冬眠カメ小さなちいさな哲学者
こっちきな入道雲が呼んでいる
からっ風わたしの自転車おしもどす
夕焼けに早く帰れとせかされる
連凧の先に一すじ飛行雲
人混みの上から投げるおさいせん
バーゲンでどこかにている母と姉
お年玉銀行行きのキップ付き
おすましの目線はカメラ七五三
初げいこピアノの上に赤だるま
トントンと母と並ぶ台所
しゃぼん玉夢の数だけふくらんで
街灯が素直な自分の陰作る
組体操青空に光る足伸ばす
初もうで屋台は帰りのおたのしみ
大掃除ほこりと思い出積もってた
楽譜見る勝手に手指が動き出す
アルバムにこめる思いが書ききれず