受賞作品

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  • 受賞作品 第十九回 佳作特別賞

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

佳作特別賞

同窓会先生よりも生徒老け

栃木県 吉沢 久子 63歳

春愁の置きどころなき肘双つ

東京都 加能 海 63歳

特売にされてピーマン青くなる

東京都 武田 克子 63歳

菜の花やこみあげてくる海の紺

神奈川県 石橋 智子 63歳

草いきれ息子の妻を何と呼ぼう

神奈川県 丸山 千登喜 63歳

春の日や少し若めの色を選る

静岡県 佐野 由利子 63歳

夕焼けが独りの秋をそっと染め

愛知県 高田 節子 63歳

日溜まりの母口ぽっかりと山笑う

大阪府 山畑 勝二 63歳

襟元をひとつ外して春を入れ

兵庫県 松本 和子 63歳

アザラシのくるりと回って春の貌

北海道 粥川 勝彦 64歳

わが夢はまだ春潮の沖にあり

福島県 大槻 弘 64歳

初夢の筋たどれどもまとまらず

埼玉県 柴田 仂 64歳

ぶらんこの地球とび出すまで漕ぎぬ

東京都 長谷川 瞳 64歳

笹の葉を蹴りて運ばる籠の鮎

東京都 坂内 タミ子 64歳

駅弁の素焼のお茶のなつかしき

東京都 齊藤 邦宏 64歳

風光る私の影が動きだす

神奈川県 渡辺 帰一 64歳

産声をあげて筍掘り上がる

神奈川県 河西 俊一郎 64歳

誰にでも声かけたくて蕗の薹

神奈川県 河西 みさを 64歳

本心を泳がしている水中花

長野県 亀山 佐助 64歳

還暦の髪を仕舞ひし冬帽子

大阪府 松下 浩二 64歳

父の日を置いてけぼりに母の旅

福岡県 赤松 桔梗 64歳

サーカスを見ずに華やぐ葱坊主

熊本県 野田 遊三 64歳

迅雷に積木の一つ崩れたり

茨城県 藤 和子 65歳

パソコンが癖字をかくす年賀状

埼玉県 荻原 金司 65歳

看護師の手の甲にメモ春立てり

千葉県 松﨑 恵子 65歳

足うらに土やはらかし梅日和

千葉県 山岸 修 65歳

焼芋のほっこり割れて仲直り

神奈川県 中村 秀夫 65歳

待春のファッション誌より抜け来しか

兵庫県 村上 寿恵 65歳

ゆつくりと溶ければ蝶になれるはず

香川県 田岡 弘 65歳

竹馬に王者のような顔となる

愛媛県 三谷 淳子 65歳

手つなぎは若葉マークか老夫婦

福岡県 鐘ヶ江 久惠 65歳

蕗の薹たましいむくっと起きにけり

福岡県 村山 ヤスエ 65歳

蕗味噌や絆と言う字噛み締める

秋田県 池田 郷太郎 66歳

がら空きの余生へ飛ばす夏帽子

埼玉県 清水 三郎 66歳

恙なく過ごしてますかと燕来る

東京都 川口 年子 66歳

着メロで飼うひぐらしが鳴く会議

神奈川県 佐藤 龍夫 66歳

草紅葉紛れ込んでる地平線

神奈川県 山口 和子 66歳

石焼芋銀座は英字新聞紙

神奈川県 神林 和子 66歳

指切りを雪だるまにも見てもらう

神奈川県 古田 哲弥 66歳

大寒に八丁味噌の香り立つ

愛知県 早矢仕 邦夫 66歳

うららかや湯に浸けられし笊玉子

広島県 有田 照美 66歳

校庭に押しくらまんじゅう寒に入る

福岡県 白井 道義 66歳

冬の金魚ダリアの花の咲くように

長崎県 奥村 京子 66歳

花衣解くやよそゆき顔も解く

埼玉県 長尾 和子 67歳

木魚を叩いてみたい葱坊主

埼玉県 大西 定子 67歳

おじぎ草マナーモードでこんにちは

千葉県 宮田 美代 67歳

老いて尚畑は友と霜を踏む

東京都 津村 信之 67歳

大寒のシリウスといま交信中

神奈川県 井田 淳子 67歳

鉾杉を芯に拡がる鱗雲

岐阜県 池田 たかみ 67歳

緑蔭に指ひらひらと手話の人

愛知県 加藤 久子 67歳

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