受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

佳作特別賞

柏手で新年の夢動き出す

新潟県 宮尾 俊行 42歳

昼寝覚めしばし浦島太郎なり

愛媛県 紙崎 照明 42歳

山茶花や掃く音高き竹箒

福岡県 平井 梨彩 42歳

日曜日時雨知らずに洗車する

群馬県 並木 淳子 43歳

この国の広がる格差目刺焼く

東京都 大野 哲太郎 43歳

屏風からこぼれて咲くや寒椿

東京都 平林 典子 43歳

母子手帳もらって覚悟のようなもの

神奈川県 和泉 まさ江 43歳

青空を背負い真夏の旅に出る

徳島県 藤本 亜矢子 43歳

木の実落ち銀河に星の生れけり

北海道 松田 佳子 44歳

詰め草に小さき灯ともる日暮れかな

埼玉県 松本 潤子 44歳

晶子にはなれず香水少し噴く

千葉県 森 寛子 44歳

母の日や母になれずに本を読む

東京都 谷村 節子 44歳

ずっしりと春の固まり赤子抱く

東京都 内野 花音 44歳

味噌汁の湯気ゆるゆると震災日

兵庫県 後藤 稔 44歳

別れより咲いた桜に泣かされる

鹿児島県 中村 博美 44歳

年惜しむ古着を捨てるかのように

茨城県 山手 恭子 45歳

肝試し待ち疲れてるお化け役

埼玉県 内田 隆一 45歳

青年にあざやかすぎるソーダ水

千葉県 石藤 浩一 45歳

行く春や時間をさがす地図のなか

東京都 札場 康人 45歳

ゆっくりと育ってほしいとひなまつり

愛知県 熊澤 芳美 45歳

ベルギーが絵画のように暮れてゆく

大阪府 上山 たえ子 45歳

春はまだ掌のなかにあり航海図

兵庫県 今井 豊 45歳

囀りや内緒話のない地球

広島県 坂田 和彦 45歳

蔓草のまっすぐ伸びる神の留守

山口県 内田 和子 45歳

勉強が嫌いでどんぐりころころす

愛媛県 加藤 真理子 45歳

木枯らしも押したい背中選んでる

鹿児島県 松元 尚美 45歳

拍子木の軽き響きぞ夜を打てり

群馬県 頼富 雅博 46歳

色鳥や新書のようにひるがえり

埼玉県 有永 克司 46歳

生きてゆく麦踏みの麦思いつつ

東京都 吉際 弘美 46歳

冬眠の亀もめだかも真面目なり

東京都 石井 ひろし 46歳

腕時計止まっておりぬ文化の日

神奈川県 北郷 聖 46歳

羽布団太陽系の中に干す

兵庫県 松下 弘美 46歳

ルージュだけ秋色にして異人館

兵庫県 長谷川 美和子 46歳

赤ちゃんのくつした半分旅してる

福島県 本田 公成 47歳

ゆるゆると心ほどける湯あみかな

神奈川県 加藤 裕子 47歳

ひらがなのようにほどけて素足かな

神奈川県 西田 克憲 47歳

百歳の秘訣と聞かれ冷奴

愛知県 青井 光義 47歳

後ろからやって来た春に追い越され

兵庫県 金曽 和子 47歳

如月の絵皿に何を乗せようか

埼玉県 山口 幹男 48歳

秋扇バッグにしまう恋ひとつ

神奈川県 柳原 真江 48歳

そこだけがぽっかりと春福寿草

長野県 市川 和江 48歳

花筏昨日と違う我ゐたり

静岡県 内藤 千鶴子 48歳

わが影を水に沈めて紙を漉く

兵庫県 藤野 佳津子 48歳

携帯の会話途切れて遠花火

兵庫県 岩倉 佳代子 48歳

釣竿のぐわんと唸り空は秋

兵庫県 江口 雅敏 48歳

真すぐな骨ばかりなり冬木立

福岡県 山本 いく子 48歳

朝の霧パン一枚で消えてゆく

群馬県 井汲 真理 49歳

受験子の消しゴムで消す夢ひとつ

群馬県 勅使川原 徹 49歳

頼まれて他人の分まで詣でます

埼玉県 大岩 一博 49歳

菱餅の彩反り返る雛納め

東京都 本田 いづみ 49歳

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