受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

佳作特別賞

竹林の右ななめ上おぼろ月

兵庫県 中村 妙子 37歳

木の実降る見えぬ木霊と語らう子

奈良県 湊 みさ 37歳

たんぽぽの綿毛ゆらりとロマン旅

徳島県 松田 由美 37歳

蝮居て蝮の匂ひしてをりぬ

宮崎県 伊藤 克哉 37歳

船上で去りゆく島に礼をいう

鹿児島県 坂野 博志 37歳

ひつじ雲夕日の球をおいかける

沖縄県 浦崎 綾子 37歳

放課後の金魚の行方がわからない

北海道 安田 こずえ 38歳

妙齢の肌に優しき柚子湯かな

北海道 河野 美奈子 38歳

精巧な花粉感知器僕の鼻

東京都 疋田 博昭 38歳

冬の月そのつめたさのたしかさよ

東京都 小野 裕紀子 38歳

さよならを言わずに立ち去る陽炎よ

神奈川県 木下 陽子 38歳

気がつけば妻の手のしわ母に似る

新潟県 澤口 正俊 38歳

逆立ちの影を伸ばして暮るる夏

新潟県 植木 恭則 38歳

スズメらが咲いてるという寒椿

石川県 水上 猛之 38歳

明日は雪米研ぐ母の一人言

岐阜県 小林 亜紀 38歳

ラブレター百円切手がめくれそう

静岡県 匂坂 茂則 38歳

ひと雨の力みなぎるなすびかな

静岡県 村松 貴惠 38歳

靴紐を結んで蝶のように舞い

愛知県 大原 泰彦 38歳

図書室で芽ぶく少女のものがたり

大阪府 前田 佳子 38歳

春よ来い幸せ共に早く来い

大阪府 岡 慎一郎 38歳

帰省して親に甘えて子に戻る

大阪府 大和 有希子 38歳

憂鬱な日大きく空を吸い込めり

大阪府 水井 智子 38歳

さらさらと流れる小川に身をたくす

兵庫県 光山 道潤 38歳

すぐ乾く男の髪や日雷

大分県 吉平 寿歳 38歳

スキップの白靴通す改札機

北海道 奥山 真由美 39歳

雪掻きの山にも負けぬ力瘤

秋田県 佐藤 正明 39歳

大根めし夫婦は別のこと思う

茨城県 野口 きぬえ 39歳

文鎮と半紙が急かす筆頭

埼玉県 久田 敏彦 39歳

素直なる顔を揃へて土筆立つ

埼玉県 小薬 全子 39歳

それぞれの母がおります花筵

埼玉県 山戸 則江 39歳

この箱が最後となりし父の桃

東京都 田中 和幸 39歳

新雪に野鳥が描く地上絵かな

長野県 中條 明子 39歳

ゆっくりと海に夕焼けとけていく

愛知県 宮嶋 洋恵 39歳

沈みゆく夕日にはにかむ茜雲

愛知県 千須和 由美 39歳

一人子のさくさくならす霜柱

愛知県 犬塚 正美 39歳

淡雪やなつかぬ猫の声に似て

広島県 石丸 はるみ 39歳

冬の海夕日の色を染め直す

広島県 二藤 温子 39歳

砂浜に静寂という陽が満ちる

徳島県 原 敏彦 39歳

秋晴れの紅葉ちりばめ水鏡

福岡県 木村 春美 39歳

万愚節タコがぐにゃりと踊り出す

千葉県 高坂 朔夜 40歳

レノン忌のホワイトポインセチアかな

神奈川県 山路 なつえ 40歳

猫まわる追うも逃げるも自分の尾

神奈川県 鈴木 洋一 40歳

春雷のパタンと閉じるピアノかな

大阪府 松本 ひろみ 40歳

キラリンと着信鳴らして虹が立つ

兵庫県 磯田 君子 40歳

別れから始まる春の私小説

愛媛県 紙崎 文孝 40歳

身を屈めパセリの森へ迷い込む

沖縄県 森田 理佳 40歳

挨拶もみなおろしたて一年生

埼玉県 神岡 きぬ絵 41歳

ウエストと家計に響くバイキング

大阪府 久保 澄子 41歳

そこにいるあなたが遠く春がすみ

秋田県 三浦 由美子 42歳

ガラス器を洗い上げたる立夏かな

千葉県 加藤 裕子 42歳

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