伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第十八回
優秀賞
小学生の部 (幼児含む)
ひこうきのおなか真っ白秋の空
栗のイガ怒った友によく似ている
じいちゃんが亡くなった春小学校
小鳥鳴く僕は鼻歌森は風
通学路みんな横向く猛吹雪
学芸会ちがうわたしになりきって
水仙を見るたび背筋伸ばす朝
中学生の部
コロッケの横にはやっぱり春キャベツ
教会の坂の向こうに冬の海
島風にひまわり一日中揺れて
月昇る沈んだ気持ち舞い上がれ
星月夜母へ素直にあやまろう
毛糸編む一人っきりの家の中
彼の名がどんどんでてくる炭酸水
高校生の部
かすみ草いっぱい集めて空を飛ぶ
たんぼ道夕日さえぎるものはなし
さしすせそ言えないくらい寒い冬
気のせいかカラスが僕に会釈した
帰り道音がほしくて缶を蹴る
蝉時雨鏡のなかに非常口
竹馬を支える祖父の腕がある
一般の部A (40歳未満)
ところてんわたしも一緒に透き通る
ゆきだるま今度は誰と遊ぼうか
少年のなわとび太陽のみこんで
会えずとも瞳とじれば暖かし
短めのスカート穿いて跨ぐ夏
願うより誓いの場とする初もうで
直滑降雪の鼓動が加速する
一般の部B (40歳以上)
野仏の伏せた瞼で蝶休む
冬ざれの足の裏まで意固地なり
人生も余白となりぬ花筏
花吹雪耳の奥まで愉快なり
本丸に立ちて眺むる桜あり
少年の素振り百回風光る
白萩のかたわらにいて疲れけり