受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

佳作特別賞

点滴を連れて窓辺の遠花火

大阪府 天羽 良野 76歳

無器用に生きて長寿の荷を背負い

大阪府 樋口 嘉一 76歳

度忘れは何でしたっけ日向ぼこ

東京都 山本 さち江 76歳

海ほほづき祭の色に染められて

東京都 藤本 修 76歳

流れ藻の彩を深めて春の雨

福井県 姉崎 俊雄 76歳

この寝言メロン一個で済まされぬ

兵庫県 舟辺 隆雄 76歳

荒声を波間に沈め鮪追う

北海道 今谷 みつる 76歳

笹舟を浮かせてみたき天の川

埼玉県 山本 典子 77歳

春日和杖の色まで褒められて

埼玉県 辻本 弥枝子 77歳

洗立ての大根ほめて路地通り

埼玉県 木村 梶子 77歳

せんだんの実ばかり残り無人駅

三重県 前川 昭世 77歳

土筆摘む少女の頃の頬であり

静岡県 野木 貞子 77歳

どの顔もみんな似ている祭笛

長野県 遠藤 喜久男 77歳

灯台の明りはるかや冬岬

島根県 池田 展久 77歳

冥王星掛け違いたる金釦

東京都 田中 隆 77歳

散りてなおよりそふ花の筏かな

東京都 野々山 喜六 77歳

地球儀を逆さに廻す春愁

徳島県 葉柳 護 77歳

昼寝時蟹がきている厨かな

兵庫県 平井 清子 77歳

猫の番すればつぶやく浅蜊かな

愛知県 田口 尹久子 78歳

土びなと菱餅かざり婆々一人

愛知県 牧野 八重子 78歳

硝子戸を開けて春月抱きけり

埼玉県 富沢 葦生 78歳

この日在る命の重さ鳥曇

埼玉県 北川原 典子 78歳

蛇口より刃物のような冬が来る

埼玉県 利根 美代 78歳

大根畑よりマラソンに手を振れり

神奈川県 岡田 信子 78歳

お日さまを洗ってしまへ水鉄砲

神奈川県 原 尚久 78歳

我にある季節の慣い青山椒

大阪府 宮川 久子 78歳

百薬の長と言ひつつ温め酒

愛知県 横井 さかゑ 79歳

かたつむり百年先を歩いている

沖縄県 棚原 恵教 79歳

法話果て三途遠のく竹の春

群馬県 星野 鈴枝 79歳

蝶の羽化イナバウアーで始まりぬ

広島県 沖本 昭子 79歳

見あぐれば白く貼りつく寒の月

山形県 佐藤 栄一 79歳

水仙の色鮮やかに如来像

神奈川県 青木 一男 79歳

曇天をぱかりと分かつ猛り百舌鳥

大阪府 菅 範子 79歳

夏祭り露店のまとう昭和かな

大分県 佐藤 操子 79歳

無人駅ひなげしばかり揺れている

奈良県 藤井 敏雄 79歳

朝霧や小舟ばかりの舟溜り

愛媛県 大西 秋廣 80歳

曼珠沙華少年強き言葉持つ

愛媛県 中川 勝己 80歳

春ショールふわりとまきて試歩に出づ

愛媛県 野本 琉里子 80歳

例ふれば父金縷梅に似たるかな

岐阜県 後藤 としお 80歳

和紙で貼る茶箱に新茶香る幸

岐阜県 後藤 キヌエ 80歳

大空に大波おこす鯉のぼり

埼玉県 小山 圭治 80歳

二ン月やここが節目となる手相

埼玉県 赤尾 茶香 80歳

鳶の笛空襲今は無き空に

滋賀県 中村 久雄 80歳

きかん気の眉隠したる夏帽子

神奈川県 中村 百合子 80歳

豆飯を炊ける男の離婚歴

大阪府 西村 省吾 80歳

水仙の色に合わせて背伸びする

長野県 後藤 美智子 80歳

双眼鏡に百円分の秋惜む

東京都 塩田 清則 80歳

子等が来て部屋の隅まで暖かし

北海道 小野寺 梅子 80歳

合格の声飛んで来る勝手口

北海道 須賀 悟 80歳

うしろ手に結ぶエプロン時雨くる

京都府 多気 澄子 81歳

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