伊藤園 お~いお茶新俳句大賞
第十八回
佳作特別賞
彼だけに少し大きいチョコレート
16歳夕立のように過ぎてった
五七五じゃとてもたりない恋心
恋をして学んだことは星の数
あなたはね一人じゃないよ冥王星
指先の感覚がない白い道
とり込んだ洗たく物から紅葉散る
金色の楽器が映す冬景色
地平線曲げれる気がした文化祭
マフラーがついにできたよ2年ぶり
夕やけはきっと明日を知っている
日の出見にバイク飛ばして海辺まで
二人なら迷ってみたい芒原
アメフラシつついて見上げた入道雲
祖母が来て大活躍の急須かな
ししおどし一心不乱に時をうつ
風の神クラス中で鼻ズルズル
消しゴムで悩みも全部消してほしい
春の日のつまらなそうなロウソク屋
ふと気づく父がメガネをかけている
虹が出た追っても追ってもくぐれない
恵方巻みんな無言でかぶりつく
中吉に微妙な笑顔初詣
あめんぼがスイスイ泳ぐ金閣寺
蒲公英が見送る今日は決戦日
秋の空すすきに似合う茜色
思春期の恋する心は飴細工
母の日に電車の中で揺れる花
冬の夜母たっぷりと化粧水
年賀状メールでよいかと聞き返す
星を見てなんだか元気になった夜
七限の窓から見える赤い鳥
夢を追い心のギター掻き鳴らす
大空に希望探してイナバウアー
あれこれと入道雲に名をつける
祖父母待つこたつの部屋が嬉しくて
メロンより僕の気持ちはミカンかな
視線の先大きな大きな父の背中
コンビニに並んでいない母の味
くりご飯湯気の向こうに笑う母
北風が海をだんだん怒らせる
うやむやな気分のままで初日の出
昨日より今日の私少し好き
初春の眠気が取れないふきのとう
知恵の輪のように絡めてみたい指
すき焼きに家族三代そろった日
寒い日のスープのような言葉かな
ふるさとは鰹の香る枕崎
着ぶくれのダルマが並ぶ保育園
潮風に打たれて育つ港町