伊藤園 お～いお茶新俳句大賞
第十八回
佳作特別賞
さくらんぼ双子がにっこり笑ってる
年の瀬に障子の白さ眩しけり
歌留多とり大きな手たたく小さな手
初夢でテスト百点正夢に
深呼吸ペンを並べて年賀状
水族館クラスみんなでハイチーズ
グローブの匂いが恋しい秋の暮れ
立春を鼻で感じる花粉症
春風が私を大人に変えていく
桜咲く一本道の美術館
韓国へ一人で旅する冬休み
運動会ハチマキの日焼け残ってる
ＨＢの鉛筆走る初日記
広島の決して忘れぬ黒い雨
手袋の五本のトンネルあったかい
アメ横を歩き疲れて春近し
照れながら手をふる母にブイサイン
秋晴れや水平線に大漁旗
霜柱全部ふむまで気がすまない
風鈴を奏でて通る夏の風
ホースから零れ落ちてく秋の虹
歩道橋渡ると見える赤富士山
鮭戻る秋が来たとの手紙かな
マフラーをまいて歩いた並木道
クレヨンの青折れたまま夏終わる
軽快に鉛筆走るテストの日
つくしさん早起きするのはだれですか
春風が春のチャイムを鳴らしてく
桜散る時間止まれと祈るだけ
もみじの木秋に恋して夕日色
夕焼けとコーディネートのからすうり
鶴渡る北の青空澄み渡る
春よ来いクラリネットが冷えるから
あの子には少し小さいちゃんちゃんこ
冬の海パステルカラーで日が沈む
北風やどうしてそんな急ぐのか
張り詰める家族も空気も受験の日
白い息つかもうとして消えてった
一年は短いような気がしたな
雪だるま冬から春へ減量中
水に沈む村にも春はしのびより
店先の打ち水涼しき京の町
スクラムを組めや走れや春近し
「今何個」ほおばりながら苺狩り
新入生校歌を歌う慣れぬ声
ドングリが帽子かぶって旅に出る
年明けて燕が家族に加わった
風そよぎうねる緑の麦畑
風が吹くぽっかり空いた僕の胸
手をこすり坂道のぼる冬の蝶
